[P-068-B] SGLT2阻害薬の処方目的による低血糖に対する患者認識の差異
【目的】SGLT2阻害薬(以下、SGLT2)の適応拡大より、心不全や腎疾患などの高血糖を伴わない患者への処方も増えており、低血糖に対する患者認識に差異がある可能性が考えられる。そこで、SGLT2阻害薬の安全な使用に向けた課題抽出のため、これらの認識差異を調査した。
【方法】2024年3月11日~4月8日に、当薬局にダパグリフロジンおよびエンパグリフロジンを含む処方箋を持参した患者を対象にアンケートを実施した。血糖低下目的の処方患者をDM群、それ以外の目的の処方患者を非DM群とし、処方目的を把握していない患者はPU群とした。低血糖を含むSGLT2の副作用(7項目)、「症状」「対処法」を含む低血糖の知識(8項目)への認識を調査項目とし、結果は有意水準0.05としたFisher正確確率検定およびHolm法を用いた多重比較で群間比較した。(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0230)。
【結果】85名の有効回答のうち、DM群、非DM群およびPU群はそれぞれ29名(34.1%)、41名(48.2%)および15名(17.6%)であった。SGLT2の副作用として低血糖を認識している割合は、非DM群(6.7%)よりもDM群(44.8%)が有意に高かった。しかし、DM群と非DM群において低血糖の「症状」「対処法」への知識がある割合は、それぞれ48.3%および34.1%、58.6%および39.0%と有意な群間差はなかった。
【考察】回答者の約2割がPU群であったことから、SGLT2のように適応拡大が生じた場合は、今まで以上に患者特性に合わせた服薬指導や啓発で、薬物治療への理解を促す必要性が示唆された。また、DM群と非DM群に低血糖の知識差はなかったが、DM群よりも非DM群の方がSGLT2における低血糖発現リスクを認識できていなかったことから、低血糖の「症状」「対処法」のみならず、SGLT2における低血糖の発現は、使用目的に関わらない作用機序に基づく薬剤特性であることを啓発する必要性も示された。
【方法】2024年3月11日~4月8日に、当薬局にダパグリフロジンおよびエンパグリフロジンを含む処方箋を持参した患者を対象にアンケートを実施した。血糖低下目的の処方患者をDM群、それ以外の目的の処方患者を非DM群とし、処方目的を把握していない患者はPU群とした。低血糖を含むSGLT2の副作用(7項目)、「症状」「対処法」を含む低血糖の知識(8項目)への認識を調査項目とし、結果は有意水準0.05としたFisher正確確率検定およびHolm法を用いた多重比較で群間比較した。(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0230)。
【結果】85名の有効回答のうち、DM群、非DM群およびPU群はそれぞれ29名(34.1%)、41名(48.2%)および15名(17.6%)であった。SGLT2の副作用として低血糖を認識している割合は、非DM群(6.7%)よりもDM群(44.8%)が有意に高かった。しかし、DM群と非DM群において低血糖の「症状」「対処法」への知識がある割合は、それぞれ48.3%および34.1%、58.6%および39.0%と有意な群間差はなかった。
【考察】回答者の約2割がPU群であったことから、SGLT2のように適応拡大が生じた場合は、今まで以上に患者特性に合わせた服薬指導や啓発で、薬物治療への理解を促す必要性が示唆された。また、DM群と非DM群に低血糖の知識差はなかったが、DM群よりも非DM群の方がSGLT2における低血糖発現リスクを認識できていなかったことから、低血糖の「症状」「対処法」のみならず、SGLT2における低血糖の発現は、使用目的に関わらない作用機序に基づく薬剤特性であることを啓発する必要性も示された。