[P-070-A] 糖尿病合併妊娠に対する薬剤師の介入事例
【目的】近年、若年層の2型糖尿病罹患率の増加と晩婚化・晩産化による糖尿病合併妊娠が増加している。そのため糖尿病専門医療機関門前以外の薬剤師も妊娠時の血糖コントロールの重要性について周知しておく必要性がある。糖尿病合併妊娠患者に対して、有害事象リスクを低減するための早期介入に至った事例について報告する。
【症例の概要】30代女性、門前病院に通院中の糖尿病患者。20XX-3年よりトホグリフロジン、リナグリプチン、メトホルミン、シルニジピンを継続。20XX年Y月Z-3日妊娠検査キットにて妊娠が発覚、まだ産婦人科受診による妊娠確定には至っていない旨を医師に伝え、20XX年Y月Z日、リナグリプチン、ボグリボース、メチルドパに処方が変更。処方された薬剤の医薬品添付文書はいずれも「有益性が上回る場合投与可」と記載されているが、空腹時血糖は138mg/dL、 HbA1cは8.3%と血糖コントロールは不十分であり、インスリンを用いた速やかな是正が必要と考え、医師に情報提供をおこなった。
【結果】情報提供後に治療方針の変更がなされ、総合病院へ受診することになった。20XX年Y月Z+6日、総合病院の産婦人科及び内分泌科を受診し正式に妊娠が確定、インスリンリスプロ(朝昼夕3-3-3単位)、インスリンデグルデク(夕4単位)にて開始。20XX年Y+1月、教育入院しインスリンリスプロ(朝昼夕20-10-12単位)、インスリンデグルデク(夕10単位)で血糖コントロール良好となった。
【考察】妊娠0‐15週目に血糖コントロールが不十分な場合、先天奇形のリスクが上がる可能性がある。リナグリプチンやボグリボースのHbA1cの有意な低下はそれぞれ12週後と8週後のため、妊娠初期の高血糖を速やかに是正する治療はインスリン投与が有用である。本症例における患者への介入は有害事象のリスクを低減するために寄与できたと考える。
【症例の概要】30代女性、門前病院に通院中の糖尿病患者。20XX-3年よりトホグリフロジン、リナグリプチン、メトホルミン、シルニジピンを継続。20XX年Y月Z-3日妊娠検査キットにて妊娠が発覚、まだ産婦人科受診による妊娠確定には至っていない旨を医師に伝え、20XX年Y月Z日、リナグリプチン、ボグリボース、メチルドパに処方が変更。処方された薬剤の医薬品添付文書はいずれも「有益性が上回る場合投与可」と記載されているが、空腹時血糖は138mg/dL、 HbA1cは8.3%と血糖コントロールは不十分であり、インスリンを用いた速やかな是正が必要と考え、医師に情報提供をおこなった。
【結果】情報提供後に治療方針の変更がなされ、総合病院へ受診することになった。20XX年Y月Z+6日、総合病院の産婦人科及び内分泌科を受診し正式に妊娠が確定、インスリンリスプロ(朝昼夕3-3-3単位)、インスリンデグルデク(夕4単位)にて開始。20XX年Y+1月、教育入院しインスリンリスプロ(朝昼夕20-10-12単位)、インスリンデグルデク(夕10単位)で血糖コントロール良好となった。
【考察】妊娠0‐15週目に血糖コントロールが不十分な場合、先天奇形のリスクが上がる可能性がある。リナグリプチンやボグリボースのHbA1cの有意な低下はそれぞれ12週後と8週後のため、妊娠初期の高血糖を速やかに是正する治療はインスリン投与が有用である。本症例における患者への介入は有害事象のリスクを低減するために寄与できたと考える。