[P-077-B] マイナ保険証始まる!~保険薬局で見えてきた問題点と活用状況~
【目的】マイナンバーカード(以下、カード)は医療情報を有効に活用する国の施策として普及が推進され、現行の保険証廃止が本年12月に決定している一方、薬局での4月の利用率は全国平均で6%程度である。当薬局ではカード開始早期から使用環境を整備し、カード利用の掲示や声掛けに積極的に取り組んできた。その結果2024年5月の利用率は全国平均よりも高い25.9%(3.7%~50.6%)であるが、さらに利用を推進することが求められる。そこで、カードの利用状況と利用率向上を阻む要因を検討した。
【方法】2024年5月に当薬局の薬剤師164名・医療事務103名にアンケート調査を行った。アンケートは2023年10月からのカード利用推進時の患者対応について、トラブル、患者からの意見、カードを活用した項目と事例の回答を得た。
【結果】カードを活用した項目と薬剤師数は、併用薬95名(57.9%)、健康診断結果39名(23.7%)であった。活用事例は、健康診断と薬剤情報から処方薬の禁忌疾患や重複する同効薬が判明し、処方変更となったや、他院で骨粗鬆症治療薬(注射)をしている患者にビスホスホネート製剤が処方され、処方削除となった等があった。対応に苦慮する事例を経験した薬剤師医療事務数は、カードに否定的で持参しない159名(59.6%)、カードの持参忘れ104名(39.0%)、情報更新が遅いため最新情報の閲覧不可98名(36.7%)であった。患者からの意見を経験した薬剤師医療事務数は、毎回提示するのは面倒121名(45.3%)、安全性が心配71名(26.6%)、持ち歩くのが怖い32名(12.0%)が多かった。
【考察】保険薬局でカードを利用することにより、情報確認をスムーズに行うことが可能となり、適切な薬物治療の提供に繋がっている。しかし、カードに否定的である、カードの持参を忘れる、情報更新の迅速性等解決すべき問題点がある。利用率上昇のためには、カードへのイメージ向上、理解のための更なる丁寧な周知説明が必要であることが示唆される。
【方法】2024年5月に当薬局の薬剤師164名・医療事務103名にアンケート調査を行った。アンケートは2023年10月からのカード利用推進時の患者対応について、トラブル、患者からの意見、カードを活用した項目と事例の回答を得た。
【結果】カードを活用した項目と薬剤師数は、併用薬95名(57.9%)、健康診断結果39名(23.7%)であった。活用事例は、健康診断と薬剤情報から処方薬の禁忌疾患や重複する同効薬が判明し、処方変更となったや、他院で骨粗鬆症治療薬(注射)をしている患者にビスホスホネート製剤が処方され、処方削除となった等があった。対応に苦慮する事例を経験した薬剤師医療事務数は、カードに否定的で持参しない159名(59.6%)、カードの持参忘れ104名(39.0%)、情報更新が遅いため最新情報の閲覧不可98名(36.7%)であった。患者からの意見を経験した薬剤師医療事務数は、毎回提示するのは面倒121名(45.3%)、安全性が心配71名(26.6%)、持ち歩くのが怖い32名(12.0%)が多かった。
【考察】保険薬局でカードを利用することにより、情報確認をスムーズに行うことが可能となり、適切な薬物治療の提供に繋がっている。しかし、カードに否定的である、カードの持参を忘れる、情報更新の迅速性等解決すべき問題点がある。利用率上昇のためには、カードへのイメージ向上、理解のための更なる丁寧な周知説明が必要であることが示唆される。