第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2024年11月3日(日) 14:50 〜 15:20 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-081-C] 電子処方箋モデル事業を通じた運用プロセスの確立とその活用

神垣 昌幸1, 瀬倉 直2, 佐藤 仁彦3 (1.クラフト(株)さくら薬局 須賀川北町店, 2.須賀川北町店, 3.さくら薬局グループ)

【目的】厚生労働省では医療や介護分野でのデジタル・トランスフォーメーションを通じたサービスの効率化・質の向上を図るため、データヘルス改革を推進している。医療介護総合確保推進法に基づき、オンライン資格確認等システムの基盤を活用した、電子処方箋の仕組みが2023年1月から開始された。さくら薬局須賀川北町店ではこれに先駆けて、電子処方箋のモデル事業に参加し、社内システム及び運用ルールの改善を図った。全国の薬局や医療機関への普及・支援の一助となることを目的として報告する。【方法】2022年8月から、厚生労働省主催の会議に参加し、関係機関と連携して電子処方箋システムの構築と運用方法の検討を進めた。この過程では、STEP1からSTEP3に分けられた段階的な導入プロセスを経て、医療機関と薬局が直面した課題とそれに対する解決策の検討を行った。【結果】STEP1では、処方データと調剤データの紐付け、電子処方管理サービスを通じたデータのやり取りが主な課題であり、処方箋の誤入力などの問題に対処した。STEP2以降では、電子処方箋の全面的な導入により、データ管理の効率化など新たな課題が浮上した。特に、患者への電子処方箋の説明に関して、医療機関との密な連携を必要とした。【考察】電子処方箋を導入することで重複投薬防止が可能となり、疑義照会や調剤情報の確認の負担が軽減される。現段階ではその機能を十分に発揮できる状況になく、HPKIカードやオンライン資格確認システムの導入の遅延、参加する医療機関・薬局が少ないといった問題がある。これらが解決されれば、電子処方箋は薬歴管理の一元化や紙処方せん紛失防止や災害対応時など医療の質の向上に大きく寄与すると期待される。今後はモデル事業参加薬局として、全国から勉強会の依頼や、トラブル相談があれば積極的に協力していきたい。