[P-083-B] ICTを活用した服薬期間中のフォローアップの課題:自動送信と個別送信の応答率比較
【目的】
薬機法の改正により、服薬期間中の患者フォローアップ(FU)が義務化され、ICTを活用したシステムが普及している。ICTを用いたFUは、薬剤師と患者双方の負担軽減や効率的な手段として期待されているが、一律の自動送信では効果が限定的との指摘がある。本研究では、当薬局で行う自動送信と個別送信の応答率を比較する。これにより、ICTを用いたFUの運用と課題を検討し、改善策を探るための基礎データを提供することを目指す。
【方法】
2024年1月1日から3月31日の期間、当薬局で実施した自動送信および個別送信の件数と患者からの応答件数を抽出した。個別送信の対象が小児インフルエンザ患者であったため、自動送信のデータも小児に限った。応答件数を送信件数で除した応答率をカイ二乗検定で比較した。有意水準は0.05とした。
【結果】
自動送信によるFU件数は123件、応答件数は19件(応答率18.7%)であった。個別送信は122件中87件(応答率71.3%)の応答があった。カイ二乗検定の結果、応答率の差は統計的に有意であった(p<0.05)。
【考察】
個別送信の応答率が高かった理由として、自動送信が一律の定型文であるのに対し、個別送信が疾患や薬剤に合わせた内容であったことが考えられる。また、急性疾患である小児インフルエンザの患者であったことも影響している可能性がある。本研究の限界として、年齢以外の患者背景やFUの送信タイミングの調整が不十分であり、バイアスが存在する可能性がある。患者がICTを活用したFUに積極的に応じるよう促すため、FUの意義とそのメリットについての教育が重要である。FUが患者の健康管理に直接影響を与えることを明確に説明することで、患者の協力が得られやすくなり、結果として応答率が上昇することが期待される。
薬機法の改正により、服薬期間中の患者フォローアップ(FU)が義務化され、ICTを活用したシステムが普及している。ICTを用いたFUは、薬剤師と患者双方の負担軽減や効率的な手段として期待されているが、一律の自動送信では効果が限定的との指摘がある。本研究では、当薬局で行う自動送信と個別送信の応答率を比較する。これにより、ICTを用いたFUの運用と課題を検討し、改善策を探るための基礎データを提供することを目指す。
【方法】
2024年1月1日から3月31日の期間、当薬局で実施した自動送信および個別送信の件数と患者からの応答件数を抽出した。個別送信の対象が小児インフルエンザ患者であったため、自動送信のデータも小児に限った。応答件数を送信件数で除した応答率をカイ二乗検定で比較した。有意水準は0.05とした。
【結果】
自動送信によるFU件数は123件、応答件数は19件(応答率18.7%)であった。個別送信は122件中87件(応答率71.3%)の応答があった。カイ二乗検定の結果、応答率の差は統計的に有意であった(p<0.05)。
【考察】
個別送信の応答率が高かった理由として、自動送信が一律の定型文であるのに対し、個別送信が疾患や薬剤に合わせた内容であったことが考えられる。また、急性疾患である小児インフルエンザの患者であったことも影響している可能性がある。本研究の限界として、年齢以外の患者背景やFUの送信タイミングの調整が不十分であり、バイアスが存在する可能性がある。患者がICTを活用したFUに積極的に応じるよう促すため、FUの意義とそのメリットについての教育が重要である。FUが患者の健康管理に直接影響を与えることを明確に説明することで、患者の協力が得られやすくなり、結果として応答率が上昇することが期待される。