[P-091-A] 直接経口抗凝固薬(DOAC)のunderdose症例に対し疑義照会を行ったことで適正用量へと至った一例
【背景】近年、心房細動に対する抗凝固療法には従来使用されていたワルファリンに代わり、直接経口抗凝固薬(DOAC)の使用が増加している。その一方で、DOACの不適正使用が問題となっている。DOACはワルファリンよりも安全性が優れているとされているが、薬剤ごと及び適応症ごとで用量調節の基準が異なり複雑である。今回、エドキサバンのunderdose症例に対し疑義照会を行ったことで、適正用量へと至った一例について報告する。
【症例】50代男性、心房細動、狭心症、心不全、糖尿病の既往あり、心房細動に対するカテーテルアブレーション治療後に他院からの継続処方(エドキサバン60mg、ベプリジル100mg、ビソプロロール2.5mg、オルメサルタン20mg、フロセミド20mg、ダパグリフロジン10mg、ピタバスタチン2mg)にて加療中。X年1月に心房細動再発のため、ベプリジル200mgへ増量、ベラパミル80mg開始となり、エドキサバン30mgへと減量される。X年2月にはビソプロロール5mgへと増量、経過良好のためX年4月にベラパミル中止となる。X年9月、持参された血液検査の結果などから出血傾向や腎機能に問題がないことが確認できたため、underdoseであったエドキサバンの増量を処方医へ提案し適正用量へと変更となった。
【考察】メタ解析により、DOACのunderdoseは脳梗塞や全身性塞栓症の発症を増加させるが、大出血のリスクは減少させないことが明らかになっている。しかし、DOAC使用例の20~30%がunderdoseであったことがレジストリ研究で示されており、問題となっている。今回の症例においては、薬物相互作用に関連したunderdose症例であり、疑義照会により適正用量へと変更に至った一例である。DOAC投与中のすべての症例において適正化を図ることは非常に困難ではあるが、薬剤師としても積極的に関わっていくことが必要であると考える。
【症例】50代男性、心房細動、狭心症、心不全、糖尿病の既往あり、心房細動に対するカテーテルアブレーション治療後に他院からの継続処方(エドキサバン60mg、ベプリジル100mg、ビソプロロール2.5mg、オルメサルタン20mg、フロセミド20mg、ダパグリフロジン10mg、ピタバスタチン2mg)にて加療中。X年1月に心房細動再発のため、ベプリジル200mgへ増量、ベラパミル80mg開始となり、エドキサバン30mgへと減量される。X年2月にはビソプロロール5mgへと増量、経過良好のためX年4月にベラパミル中止となる。X年9月、持参された血液検査の結果などから出血傾向や腎機能に問題がないことが確認できたため、underdoseであったエドキサバンの増量を処方医へ提案し適正用量へと変更となった。
【考察】メタ解析により、DOACのunderdoseは脳梗塞や全身性塞栓症の発症を増加させるが、大出血のリスクは減少させないことが明らかになっている。しかし、DOAC使用例の20~30%がunderdoseであったことがレジストリ研究で示されており、問題となっている。今回の症例においては、薬物相互作用に関連したunderdose症例であり、疑義照会により適正用量へと変更に至った一例である。DOAC投与中のすべての症例において適正化を図ることは非常に困難ではあるが、薬剤師としても積極的に関わっていくことが必要であると考える。