[P-101-B] 施設在宅の往診同行による多職種との連携事例
【目的】介護施設における訪問診療に薬剤師が同行する事は、チーム医療を担う上で重要である。施設入居者への訪問診療に往診同行し、多職種と連携する事により処方が検討された事例を報告する。【事例】80歳代、女性。パーキンソン病。ドパコール配合錠 L100®を服用。1 日 5 錠 14 日、1日 6 錠 14 日、1日 5錠 14 日(いずれも分 4不均等、4 回目は 20 時)と服用が推移していたが、高齢による負荷を考慮し減薬。1 日 3 錠、分 3(6 時-14 時―20 時)の処方が提示される。看護師からは夜は寝るだけなので 18時での服用で十分ではないかとの 意見。医師は、痰の量が増えるのを抑制するためにも使っているため、18時 の服用では、明け方の吸引量が増加する可能性を 強く指摘。ドパコール配合錠L100®の血中半減期と生活リズムを考慮して、薬剤師から 1 日 4錠とし分 4,6時から 4時間の等間隔での服用を提案(最終は 18 時)。1日 3 錠、分 3(6 時-14 時-18 時)で一旦経過観察となったが 2 週間後、1 日 4錠、分 4(6時-10時-14 時―18 時)の処方となる。その後 8週間以 上継続となったが、重篤な SE も見られず痰の吸引量も問題なく容態も安定。チームとして意見の集約から、多職種の同意が得られる処方になった。【考察】往診同行では入居者本人の他、家族や医師、看護師、介護スタッフから要望や意見が寄せられる。 またバイタルチエックや薬剤情報、フィジカルアセスメント事例の中からも多くの判断材料が提示される。薬剤師はチーム医療 として多職種から様々な意見を聴く事で薬物治療の質を上げる事ができる。往診同行からチーム医療を学ぶ事で薬剤師は医療人と して成長する事ができ、薬物治療の質を向上させる事ができる。往診同行による多職種との連携で薬物治療を必要とされている 多くの方々へ貢献する事ができる。