第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2024年11月3日(日) 13:00 〜 13:40 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-106-A] パーキンソン病専門ホーム入居者におけるダーブロック錠®の服用にあたり薬剤師が医療連携に貢献した一例

亀井 寛明 ((株)ストーン・フィールド サン薬局 近鉄今里店)

【目的】ダーブロック錠®服用開始にあたり薬剤師、往診医、訪問看護師による医療連携により適正使用ガイドに沿った治療を実施。薬剤師の介入により腎性貧血の数値改善ができた事例を報告する。
【方法】90代男性。パーキンソン病専門ホームに入居中。20XX年10月ホーム内の定期採血結果より腎性貧血の疑いがあり、基幹病院を受診し腎性貧血の診断を受けた。基幹病院での治療が必要だったが、基礎疾患の特性上入院不可となる。基幹病院から往診医へ処方依頼指示があり、ホームにてダーブロック錠®による治療を開始することとなった。往診医は本剤の使用経験がなく、薬剤師が製薬会社より情報を収集し、RMP資材である適正使用ガイドを参照のもと、治療計画の提案および注意事項の共有を行った。
薬剤師の取組みとして、血液検査日程の管理、ダーブロック錠®の用量提案、鉄剤評価の提案を行った。また定期的な血液検査が必要なため、薬剤師が薬剤変更日から計算し採血計画を提案した。往診までに血液検査結果が薬局へ共有され、用量及び鉄剤評価に関して薬剤師がまとめて往診医に報告を行い、処方内容決定に貢献した。
【結果】ヘモグロビン濃度(以下Hgb濃度)8.9g/dLのためダーブロック錠®4mgの服用を開始することとなった。服用開始後約21日でHgb濃度10.8g/dLに改善するものの、49日時点でHgb濃度10.3g/dLと改善傾向がなく、往診医に増量提案を行った。63日時点でダーブロック錠®2mgの増量を行い、91日時点でHgb濃度12.7g/dLとなり、126日時点でHgb濃度14.5g/dLまで改善し、Hgb濃度が検査基準値内となった。
【考察】薬剤師の取組みにより専門医以外の往診医においても投与量及び注意が必要な薬剤に関して適切に使用することができた。薬剤師が検査数値を把握することにより投与量の変更を予想した迅速な対応ができ、副作用の発現を抑えつつHgb濃度の改善に貢献できた。