第18回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 3, 2024 1:50 PM - 2:30 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[P-107-B] 保険薬局における医療用麻薬注射剤の処方応需に関する実態調査

飯田 有希菜1, 桐山 祐紀江2, 河井 伸朗3, 大浦 華代子4, 本田 雅志4, 近藤 純平4, 末松 文博4, 下川 友香理4 (1.みよの台薬局(株)みよの台薬局 門前仲町店, 2.みよの台薬局(株)そうごう薬局 在宅調剤センター青砥店, 3.みよの台薬局(株)第4運営部, 4.総合メディカル(株)学術情報部)

【目的】がん患者の在宅緩和ケアにおいて、医療用麻薬注射剤の無菌調剤は保険薬局が担う薬剤師業務の一つである。無菌製剤処理体制を整備している保険薬局は増加傾向にあるが、実際に無菌調剤を実施している保険薬局は限定的である。無菌調剤対応可能な保険薬局数の拡大には、医療用麻薬注射剤の備蓄の負担軽減や薬剤師の医療用麻薬注射剤の処方に対する薬学的介入の質の向上が課題となる。本研究では、これらの課題の解決に繋がる知見を得ることを目的として、みよの台薬局(株)の2つの保険薬局にて応需した医療用麻薬注射剤の処方内容や薬剤師の介入に関する実態調査を行った。
【方法】2022年1月1日から1年間にA・B薬局においてモルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、ヒドロモルフォンの注射剤が処方された患者を対象とした。薬歴から患者一人当たりの処方件数・応需期間、薬剤・注入ポンプの種類、処方継続時の処方変更内容、推定投与日数・実際の投与日数、薬剤師の介入内容を収集・分析した。
【結果】医療用麻薬注射剤が1回のみ処方された患者はA薬局66%(95名)、B薬局56%(26名)であり、応需期間が1ヶ月未満の患者は両薬局とも約90%とほとんどが短期間の投与であった。両薬局とも4種類すべての薬剤を応需しており、携帯型精密輸液ポンプの使用率が最も高かった。処方継続時に処方内容変更があった割合はA薬局41%、B薬局63%であり、流速の変更が多かった。各薬剤における推定投与日数と実際の投与日数にはいずれも正の相関関係が示された。A薬局で最も多い介入事項は疑義照会・処方提案であり、B薬局では残薬確認・処方依頼であった。
【考察】推定の投与日数から実際の投与日数の予測が可能であることは効果的な備蓄管理に繋がると考えられる。今後、得られた知見が実際に医療用麻薬注射剤の備蓄軽減や薬剤師の在宅緩和ケアにおける積極的な薬学的介入に役立つのか検討する予定である。