第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2024年11月3日(日) 13:00 〜 13:40 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-112-A] 保険薬局における管理栄養士と薬剤師の連携に対する認識調査

小滝 綾乃1, 鵜澤 響子2, 田畑 瑛里3, 椎原 輝4, 今井 真穂5 (1.薬樹(株)薬樹薬局 上小町, 2.元町, 3.新浦安, 4.宮前平, 5.ライフ溝口店)

【目的】
患者のための薬局ビジョンでは、薬局の機能として他職種連携の必要性が明記されている。しかし管理栄養士や薬剤師が所属する保険薬局において、その連携の現状や課題を抽出している研究は少ない。そこで本研究では、両者の連携に対する認識を調査し、今後の課題を抽出することを目的とした。
【方法】
薬樹(株)に勤める店舗配属の管理栄養士47名と薬剤師43名を対象に、社内限定公開のGoogle Formsを用いてアンケート調査を実施した。項目は、連携の現状(4問)、連携に対する考え方(2問)、連携の促進要因(11問)の全17問とした。連携の促進要因については「1全く思わない~5とてもそう思う」の5件法で回答を求め、Fisherの正確確率検定を用いて有意差検定を行った。回答期間は2024年2月15日~2024年2月22日とした。
【結果】
管理栄養士39名と薬剤師35名より回答を得た。連携の促進要因の設問である「連携への情熱はあるか」については、管理栄養士と薬剤師のそれぞれにおいて、4.0と4.1(p=0.75)、「相手は連携の必要性を理解していると思うか」は3.7と3.9(p=0.05)、「情報システムが進んでいるか」は2.0と1.7(p=0.30)、「連携に関する研修制度が実施されているか」は2.2と2.7(p=0.23)、「相手に症例検討の目的を共有しているか」は2.6と2.5(p=0.82)であった。各設問とも統計学的な有意差は認められなかった。
【考察】
連携の促進要因に関する各設問については、両者間の平均値に有意差はなく、その認識に大きな違いがないことが示唆された。連携に対する情熱や必要性については両者とも平均値が相対的に高く、連携に意欲的であることが伺えた。一方、平均値の低かった情報システムや研修制度、症例検討の目的の共有化については、今後の課題として、その改善や強化、環境づくりを進める必要があると考える。