[P-119-B] 自宅退院を希望した独居のがん終末期の認知症高齢者に関わった一例
【はじめに】院内認知症チームの活動に薬剤師として関わっている。今回、がん終末期の認知症高齢者の痛みの評価に苦渋しながら処方提案し、退院後の在宅での疼痛緩和について病棟担当薬剤師と関わった症例を経験したので報告する。
【症例】80歳代、女性、独居。X年5月、がん診療連携拠点病院で右舌癌(T3N1M0)を告知されるが手術加療を拒否し症状緩和の治療(BSC)となった。ナルサス錠®導入からフェントステープ®へ変更となり、X+1年3月、施設入所の調整目的に当院へ転院となった。この時点で急変時は蘇生措置拒否(DNAR)された。口腔状況を確認してレスキューはナルラピド錠®からアブストラル舌下錠®へ変更を提案したが認知症による短期記憶喪失でアブストラル錠®の舌下には看護師の介助が必要であった。舌下錠以外のレスキューにアンペック坐薬®を追加し、NSAIDsとして貼付剤のジクトルテープ®を提案した。痛みの評価がなかなか難しく本人の感情表現や睡眠の程度で担当看護師と確認しながら推し測った。疼痛コントロールがほぼ良好と判断されると本人は自宅退院を強く希望された。独居のため処方薬のコンプライアンスが課題となった。保険薬局薬剤師が介入となり、退院前カンファレンスで訪問看護師と共に情報を共有した。
【考察】万が一の時に備えて本人が大切にしていることや望み、希望する医療やケアについて、前もって話し合い家族や信頼する人、医療者と話し合うプロセスをアドバンスケアプランニング(ACP)と称する。この症例はACPを念頭に多職種で介入し患者の希望に添えた症例であり、患者が望む生活の場で継続した疼痛緩和を目的に介入できたと考える。また、退院前カンファレンスでの薬薬連携は終末期の在宅医療の移行には必要であり薬剤師も積極的な参加が望まれる。
【症例】80歳代、女性、独居。X年5月、がん診療連携拠点病院で右舌癌(T3N1M0)を告知されるが手術加療を拒否し症状緩和の治療(BSC)となった。ナルサス錠®導入からフェントステープ®へ変更となり、X+1年3月、施設入所の調整目的に当院へ転院となった。この時点で急変時は蘇生措置拒否(DNAR)された。口腔状況を確認してレスキューはナルラピド錠®からアブストラル舌下錠®へ変更を提案したが認知症による短期記憶喪失でアブストラル錠®の舌下には看護師の介助が必要であった。舌下錠以外のレスキューにアンペック坐薬®を追加し、NSAIDsとして貼付剤のジクトルテープ®を提案した。痛みの評価がなかなか難しく本人の感情表現や睡眠の程度で担当看護師と確認しながら推し測った。疼痛コントロールがほぼ良好と判断されると本人は自宅退院を強く希望された。独居のため処方薬のコンプライアンスが課題となった。保険薬局薬剤師が介入となり、退院前カンファレンスで訪問看護師と共に情報を共有した。
【考察】万が一の時に備えて本人が大切にしていることや望み、希望する医療やケアについて、前もって話し合い家族や信頼する人、医療者と話し合うプロセスをアドバンスケアプランニング(ACP)と称する。この症例はACPを念頭に多職種で介入し患者の希望に添えた症例であり、患者が望む生活の場で継続した疼痛緩和を目的に介入できたと考える。また、退院前カンファレンスでの薬薬連携は終末期の在宅医療の移行には必要であり薬剤師も積極的な参加が望まれる。