第18回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 3, 2024 1:50 PM - 2:30 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[P-125-B] 薬局薬剤師の積極的な在宅介入が医薬品の適正使用と介護支援の強化につながった事例

田野 隆也1, 伊藤 将2, 永野 悠馬2, 市ノ渡 真史2, 長谷川 佳孝2, 月岡 良太2, 大石 美也2 (1.アイングループ (株)アイン信州 アイン薬局 長野高田店, 2.(株)アインホールディングス)

【目的】患者のための薬局のビジョンでは、薬局薬剤師が積極的に在宅医療へ参画することが求められている。そこで、薬局薬剤師の在宅介入と多職種連携が、患者のコンプライアンス不良の解決と介護支援の強化に至った事例を紹介し、薬局薬剤師が在宅医療にて果たすべき役割を考察する。
【事例】X日、ケアマネジャー(以下、CM)から院内処方の80歳代女性患者のコンプライアンス不良について相談があり、薬剤師が患者宅を訪問したことで、約2週間前の内科処方薬(アムロジピン錠5mg、イルベサルタン100mg/トリクロルチアジド1mg配合錠、アトルバスタチン錠10mgの他、漢方薬2種、センノシド錠12mg)がほとんど服薬されていないことを確認した。X+5日に処方医へ状況を報告したところ、次回処方時から在宅訪問薬剤管理指導の依頼を受けた。また、服薬状況の改善に伴う降圧薬連日服用が過剰な血圧低下を生じ、転倒リスク等が懸念されるため、薬剤調整を検討したい旨の共有を受けた。薬剤師は、患者宅訪問時に血圧、めまい等の副作用有無、便秘の状況などを観察するとともに、訪問介護スタッフやデイサービス施設との連携やお薬カレンダーの導入などで服薬管理する体制を整えた。その結果、服薬頻度は週4回まで改善されたことをCMへの情報共有し、デイサービス利用回数が週2回から4回に増やされた。また、薬剤師が患者の体調変化と漢方薬とセンノシドをほとんど服用していないことを処方医に報告し、X+36日にはイルベサルタン100mg/トリクロルチアジド1mg配合錠がスピロノラクトン錠25mgへ変更され、漢方薬とセンノシドは中止された。
【考察】本事例では、薬局薬剤師による積極的な在宅介入と多職種連携が、患者のコンプライアンス不良の改善に繋がった。また、患者状況の継続的把握と情報共有が、処方の適正化に繋がった。今後も積極的に在宅医療に参加し、安全かつ効果的な薬物治療の実施に貢献してきたい。