第18回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 3, 2024 1:00 PM - 1:40 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[P-127-A] ALS患者の在宅医療において薬剤師の立場から介入し多職種連携により問題解決できた1症例

宮野 美幸, 伊東 里絵 ((株)タカラ薬局 タカラ薬局薬院)

【はじめに】
筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)は進行性の疾患であり、進行に応じた適切な処方提案と的確な服薬指導が求められ、薬剤師の介入が必須である。今回、薬剤師の立場からALS患者の在宅医療に介入し、多職種と共に包括的に関わることで問題点を解決した症例について報告する。
【症例】
ALS罹患の70代女性。自宅で娘家族と生活。寝たきり、嚥下困難。服薬、栄養摂取経路は胃瘻。24時間体制の訪問看護。当薬局は居宅療養管理指導を行っている。
【介入事例】
1.胃瘻造設術にて入院、退院時処方にて酸化マグネシウム細粒が追加となったが訪問看護師よりチューブの目詰まりの相談を受けた。細粒より粒径が約1/3に縮小する同錠剤の粉砕を提案し、処方変更となった。
2.眩暈の訴えに対しアデノシン三リン酸二ナトリウム水和物顆粒(粉砕)が処方された。本剤は腸溶性で粉砕では失活し胃瘻投与不適合にて、代替案を数種主治医へ提案し、ジフェニドール塩酸塩錠の粉砕へ処方変更となった。眩暈は投与後に改善した。
3.訪問看護師より、経腸栄養剤投与時に器材破損が起こる連絡を受けメーカーに原因調査を依頼した。アダプタの挿入方向に問題があったことが判明、パンフレットを用いて再度投与時の注意点について説明を行い、情報共有し改善した。
4.居宅訪問時、訪問介護員より動悸を訴える時があることを確認、情報提供書にて主治医へ報告した。再診にて心房細動が発覚しニトログリセリン貼付剤、ビソプロロール貼付剤が開始となり、24時間ホルター心電図が設置された。同時に介護支援専門員へ報告した。後日、訪問看護師へのフォローアップにて動悸の改善と血圧の安定を確認した。
【考察】
各職種が専門的な視点で問題に取り組むことで、患者ケアの質の向上が期待できる。薬剤師は患者の薬物治療に責任を持つと同時に、患者の治療効果を高めるために、多職種と日々連携を行うことが重要である。