[P-131-B] Long term eGFR plotに基づく情報提供が医療連携推進及び医療費削減に与える影響の検証
【目的】
透析は、社会全体で見ても年間約500万円という医療費が問題となっている。これに対し中澤等(2022)は、eGFRは少なくとも3年間以上の推移を確認する必要があるとしてLong term eGFR plot(LTEP)を提唱している。
そこで、本研究では保険薬局でLTEPを活用し、将来透析導入の可能性がある患者を抽出、医療機関へ情報提供することで、医療連携推進と医療費削減に寄与できる可能性があると考え検証した。
【方法】
2023年2月1日から9月30日に来局し、NSAIDs、利尿薬、ACE阻害薬/ARBを服用している患者の薬剤服用歴を後ろ向きに調査した。来局日を起点に過去3年以上のeGFRが確認できる患者について、LTEPを用いて男性は81歳、女性は87歳までにeGFRが10( mL/min/1.73m2 )以下になると予測された場合に医療機関への情報提供を検討し、情報提供件数と内容、医療機関の対応と、透析導入された場合に想定される医療費を調査した。(滋賀県薬剤師会学術倫理審査委員会承認番号:25-22-001)。
【結果】
期間中4,779名が来局し、研究対象者は215名、うち、情報提供実施患者は40名、医師の指導や処方変更等が行われた患者は9名であった。情報提供実施患者の透析導入により想定される医療費の平均は5,350万円(500~22,500万円)であった。
【考察】
本研究では、情報提供実施患者は来局患者のわずか0.8%であったにも関わらず、透析導入で想定される医療費の平均は5,350万円であったことから、LTEPに基づく情報提供が医療費削減に寄与できる可能性が示唆された。
さらに、医師の指導や処方変更等があった患者が9名いたことから、LTEPに基づく情報提供が医療連携推進に寄与できる可能性が示唆された。今後は、医師の指導や処方変更等があった9名について引き続き調査したい。
透析は、社会全体で見ても年間約500万円という医療費が問題となっている。これに対し中澤等(2022)は、eGFRは少なくとも3年間以上の推移を確認する必要があるとしてLong term eGFR plot(LTEP)を提唱している。
そこで、本研究では保険薬局でLTEPを活用し、将来透析導入の可能性がある患者を抽出、医療機関へ情報提供することで、医療連携推進と医療費削減に寄与できる可能性があると考え検証した。
【方法】
2023年2月1日から9月30日に来局し、NSAIDs、利尿薬、ACE阻害薬/ARBを服用している患者の薬剤服用歴を後ろ向きに調査した。来局日を起点に過去3年以上のeGFRが確認できる患者について、LTEPを用いて男性は81歳、女性は87歳までにeGFRが10( mL/min/1.73m2 )以下になると予測された場合に医療機関への情報提供を検討し、情報提供件数と内容、医療機関の対応と、透析導入された場合に想定される医療費を調査した。(滋賀県薬剤師会学術倫理審査委員会承認番号:25-22-001)。
【結果】
期間中4,779名が来局し、研究対象者は215名、うち、情報提供実施患者は40名、医師の指導や処方変更等が行われた患者は9名であった。情報提供実施患者の透析導入により想定される医療費の平均は5,350万円(500~22,500万円)であった。
【考察】
本研究では、情報提供実施患者は来局患者のわずか0.8%であったにも関わらず、透析導入で想定される医療費の平均は5,350万円であったことから、LTEPに基づく情報提供が医療費削減に寄与できる可能性が示唆された。
さらに、医師の指導や処方変更等があった患者が9名いたことから、LTEPに基づく情報提供が医療連携推進に寄与できる可能性が示唆された。今後は、医師の指導や処方変更等があった9名について引き続き調査したい。