[P-135-C] ユーエフティ配合カプセル®で皮疹が生じた1例
【目的】高齢化に伴いがん罹患率は上昇し、がん化学療法に触れる機会が増えている。我々薬剤師は、がん化学療法を完結させることが目的であり、今回、皮疹の副作用に対し介入することで、治療継続、完結に至った好事例を報告する。【症例】60歳代、男性。20XX年Y月、肺がんの診断を受け、テガフール・ウラシル(UFT)療法 500mg/日にて治療開始した。治療開始18か月後に大腿部裏に皮疹症状を確認した。発生時期が18週ではあるが、遅発性の可能性も否めないため、UFTの副作用を疑った。皮膚症状は体表面積の10%未満と確認し、CTCAEは Grade1と判断した。患部の現状より増悪時は受診するよう指導した。皮疹出現4か月後の来局時に皮疹の状態と面積に変化はないが痒みを伴うようになったことを聴取した。皮膚症状に対する支持療法である外用剤等に関してはべたつき等の感触に対する患者の拒否感が強かったため、皮疹状態改善のためには、保湿が重要性を説明し、自身で行なえる保湿方法(加湿器等)を患者に提案し、悪化時は早めの受診を勧告した。この日の経過は、医師へ報告し、外用剤の提案も行ったが、経過観察となった。治療開始26 か月後に肺がん治療は完結となり、UFTは終了となった。皮疹は続いていたが、痒みは軽減し皮疹の悪化はなかった。CTCAEはGrade1のままであると判断した。UFT終了3週間後の来局時に皮疹の症状も改善したことを確認した。【考察】今回のような外用剤の感触が受け入れがたい等、こだわりが強い場合、QOLを意識したフォローをすることで、状態悪化を避け、がん化学療法を治療継続、完結に至ることができる。そのためにも、有害事象発現初期においてQOLを意識したフォローをしていくことが、身近な立場にいる薬局薬剤師が行なえることであると考えられる。