第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2024年11月3日(日) 14:50 〜 15:20 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-141-C] 薬局管理栄養士がFreeStyleリブレ®を活用した血糖コントロールによる、
糖尿病予備軍の早期改善を行った事例

石井 直子1,2, 田中 沙苗1, 花里 美貴2 (1.さくら薬局グループ クラフト(株), 2.さくら薬局 品川池田山店)

【背景】
健康日本21(第三次)では、糖尿病においてtrend-analysisツールを用いた将来予測で今後更に有病者数が増加すると予測され、その抑制目標が引き上げられた。薬局管理栄養士としても予防の観点から有病者数を減らす取り組みが必要である。薬局管理栄養士が糖尿病予備軍の患者に対し、糖尿病を予防する為の食生活指導を実施した事例について報告する。
【事例】
薬局内にて、50代男性の初回栄養指導を実施。HbA1c 6.7%、空腹時血糖値109mg/dlとHbA1cが高値を示しており、血糖値スパイクの発生を考えグルコースの推移を確認するため、FreeStyleリブレ®(以下,リブレと略す)による測定を勧め、薬剤師の説明のもと実施した。約4か月の介入で54日間リブレを活用し、グルコース値の測定と食事記録を実施した。その結果、昼食後のグルコース値が正常範囲まで下がらない状態で間食を摂取しているためグルコース値が横這い又は上昇傾向となり、夕食時に重積したグルコース値が更に高くなる傾向が見られた。食事記録からは糖質単体の食事、若しくは1食の中で重複した糖質摂取の習慣が見られた。血糖トレンドの分析をもとに血糖の変動に関する知識、食事摂取の頻度とタイミングを説明し、1.糖質摂取量の調整、2.大腿部の動きを中心とした運動を目標に5回の食生活指導を行い、約4か月後の健診でHbA1c が5.8%まで改善した。
【考察】
指導のツールとしてリブレを使用することで血糖トレンドを見える化し、食事記録と合わせて分析することでグルコースの推移と食事の関連が明確になった。患者としても血糖値への理解が深まることで、行動目標を継続して実施出来たと考えられる。今後も薬局を窓口として地域の方々に栄養サポートを行うことで、更なる食生活習慣の改善指導、早期発見に努めて行きたい。