第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2024年11月3日(日) 13:00 〜 13:40 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-142-A] 保険薬局として管理栄養士による栄養相談件数向上のための取り組み

鈴木 美帆, 清 百花 (サエラファーマシーズ(株) サエラ薬局 浜田山店)

【目的】保険薬局は地域連携薬局として地域住民に対する健康管理を支援する使命が求められている。サエラ薬局浜田山店では管理栄養士が2名在籍しているが栄養相談実施件数は少なく、地域連携薬局としての役割を十分に果たせていなかった。今回、管理栄養士による栄養相談を通じて、地域住民の健康相談を促進するため、患者への周知方法などを検討した。
【方法】薬局での健康相談周知のため、店舗内外に栄養相談の案内を掲示するとともに、薬剤情報提供文書(以後、薬情)の裏に栄養相談の案内を印刷した。また、商品の置き場に管理栄養士おすすめコーナーを設置した。栄養相談が望ましいと思われる患者または興味を示す患者には薬剤師が服薬指導時に声掛けをし、混雑する時間帯を避けた予約型栄養相談を行った。栄養相談申込書の事前記入の導入、レセプトコンピュータや電子薬歴に栄養相談に関する詳細を記載することでスタッフ間の情報共有を確実にし、継続的なフォローアップを実施した。
【結果】栄養相談件数は9件(令和4年9月~令和5年2月)から15件(令和5年9月~令和6年2月)と1.7倍に増加した。患者が栄養相談を知るきっかけは、61%が薬剤師からの声掛け 、31%が新導入した薬情裏の案内によるものであった。相談件数の増加に伴い、管理栄養士コーナーの商品の売上個数、売上金額の増加にも繋がった。
【考察】薬剤師による栄養相談に関する積極的な声掛けは周知において効果的であることは報告されているが、今回新たに導入した薬情裏への案内は家族への周知も含めて効果があると考えられる。管理栄養士と薬剤師の連携により、食生活と薬物療法の両面からフォローアップすることで、患者の健康促進に向けてのアプローチの質が高まったのではないかと考えられる。栄養相談実施件数を増やすことが地域に根差した保険薬局に繋がり、さらに地域住民の健康促進に繋げていけるのではないかと考える。