第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2024年11月3日(日) 13:00 〜 13:40 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-145-A] 薬局事務による介護の介入を必要とする患者を地域包括支援センター等に繋ぐ取り組み

力武 佐智世1, 安達 仁美1, 観海 玲那1, 松永 祐実1, 廣瀬 崇博1, 内田 和宏2 (1.総合メディカル(株)そうごう薬局 早岐店, 2.総合メディカル(株))

【目的】地域包括ケアシステムにおいて薬局と介護との連携が求められるなか、当薬局では薬局事務が主体となって地域包括支援センター等と関係性を構築し、介護の介入が必要とする来局患者を繋ぐ取り組みを行っている。今回は取り組みの成果・課題について検討したので報告する。
【方法】2022年10月より当薬局の来局患者において、来局時の会話等より介護の介入の必要性を薬剤師と検討し、患者・家族等に声掛けを行なった。実際に介護の介入なく生活や服薬に支障を来す可能性が高い患者は、同意を得て地域包括支援センターに情報共有し、介護認定や在宅薬剤管理指導の導入を勧めた。これまでに取り組んだ患者と背景、経過について集計した。
【結果】2022年10月から翌2月の来局患者3,876名のうち、受け答えが乏しい、認知機能低下の疑いがある、生活状況に不安がある等、介護の介入必要と思われた患者は92名(60~70代13名、80~90代50名)であった。声掛けできたのは68名で、そのうち既に介護認定済みと確認できたのは29名。確認できなかった39名では近隣に家族等の支援者がいない独居患者は7名、夫婦のみは11名であった。その後、地域包括支援センターに情報共有したのは22名、介護導入されたのは11名となった。情報共有の同意は得られなかったが後日介護導入が確認された患者は9名。声掛けした68名中5名は薬局の在宅薬剤管理指導を導入した。患者によっては介護に抵抗を示す場合もあり、声掛けに数ヶ月を要したり、キーパーソンを見つけるなど個々に工夫を行った。
【考察】来局患者で生活状況や認知機能低下が疑われる場合に、薬局で介護サービスについて声掛けを行うことにより、介護導入され生活の質を向上させることに貢献できることが示された。一方で独居や老々介護で支援者がいない場合には声掛けが難しい場合もあり、他職種と連携しながら取り組む必要性があると考察した。