[P-157-A] 薬剤師と管理栄養士の協働によるフレイルに関する研修動画の作成
【目的】要介護状態の予防が喫緊の課題となっている日本において、薬局利用者は、一般的な高齢者に比べてフレイル状態である割合が多いと報告されている。フレイルの早期発見と適切な介入を行うことは介護予防に有効とされている。当社では管理栄養士が常駐し、栄養面からのサポートも可能である。そこで、当社の特徴を活かした患者支援実現に向け、薬剤師と管理栄養士によるフレイルに関する研修を従業員に提供することとし、研修ツールを作成した。【方法】テキスト学習よりも学習定着率が高いとされる動画による研修を行うため、国立長寿医療研究センター作成の健康長寿教室テキストを基に、両職種各々が研修動画を作成した。薬剤師5名と管理栄養士4名で、双方の作成動画を視聴し意見を交換、修正を加えて完成とした。【結果】薬剤師担当部は、フレイルの多面性やフレイルを見極めるために必要な情報(フレイルやサルコペニアの診断基準、簡易チェックの方法等)を中心に作成をした。管理栄養士担当部はフレイル予防に必要な食事とその根拠、たんぱく質及び食品多様性を増やすための間食の工夫や、食品多様性スコア等を確認できるオリジナルの食生活チェックシートを取り入れた。互いの動画に対し、栄養士からはサルコペニアの中でサルコペニア肥満の情報も必要という意見、薬剤師からは患者の生活に沿った食事目安量のよりわかりやすい提示が必要という意見等挙げられた。意見をもとに動画の訂正、追加を行った。テキストにない情報も取り入れ、より実践的な内容となるようにした。【考察】薬剤師と管理栄養士では、重要視する部分に違いがあり、それぞれの専門性を生かし動画の作成をすることでフレイル予防において多面的かつより実践的に支援できる可能性が示唆された。特にフレイルの分野では食事療法が重要であり、管理栄養士との協働はより生活に合わせた支援を提供できると考えられる。