第18回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 3, 2024 1:00 PM - 1:40 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[P-163-A] 皮膚掻痒感の原因となる生活習慣

住田 直樹 ((株)くすりの福太郎 薬局くすりの福太郎一之江店)

【目的】痒みによって労働生産性が低下することが報告されている。痒みに対する治療が上手くいく方もいれば難航する方もいる。こうした方の痒みに治療以外の方法でアプローチする際に、生活習慣の改善はその糸口となるのではないかと考えた。そこで痒みの原因となる生活習慣を明らかにすることを目的とし、まずはくすりの福太郎の従業員を対象に痒みがある方とそうでない人の生活習慣を比べ要因を検討する。【方法】調査はくすりの福太郎の従業員を対象に実施し、Googleフォームにて回答を依頼した。質問は痒みの有無を問う質問と生活習慣に関する34項目の質問で構成した。得られたデータはC.Analysisを使用し数量化2類で解析した。【結果】回答者数は369であった。34項目のうち1週間のうち外食、弁当の購入を何回するか(以下、「外食の回数」)、起床時刻は一定であるか、肌に直接接触する衣服は天然繊維よりも化学繊維のものをよく使用するか(以下、「衣服の素材」)の3項目で有意差がみられた。p値及び偏相関係数の順位は「外食の回数」(p=0.0045/1位)、「起床時刻は一定であるか」が(p=0.0359/7位)、「衣服の素材」が(p=0.0284/6位)であった。【考察】偏相関係数の値が大きいほど目的変数との関連が強いと判断する。よって「外食の回数」が最重要項目であると考えられる。ここから食生活や栄養バランスの乱れが痒みに影響している可能性が示唆された。「起床時刻は一定であるか」についても影響があると考えられる。その一方睡眠についての不満を問う設問では影響が見られていない。これについては睡眠の満足度と質が必ずしも一致していないため関連が見られなかったのではないかと考える。「衣服の素材」では合成繊維の方が痒みの原因となりにくいという結果であったが、これについては痒みを抱えている人の方が天然繊維を好んで使用しているという可能性もあるため慎重に検討が必要である。