第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム11
「薬剤師が施設の往診同行を行う意義~チーム連携さらなる躍進へ」

2024年11月3日(日) 09:00 〜 10:30 第3会場 (3階 315)

座長:立入 節子(株式会社アイセイ薬局 本部長)

[SY11-1] 介護施設の視点から感じる薬に関する課題及び事例の紹介

有村 雄祐 (はなまるホーム草加松原 介護施設管理者)

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 人と関わる事が幼少期から好きで、母親はカウンセラー、兄は看護師という家庭環境の影響もあり自然と医療・福祉の道に進もうと考えていました。
 保育士と幼稚園教諭を取得し身体障害者の支援施設から介護の道に進むことになりました。
20代中頃、今後の人生を考えたとき「もっと色々な人や景色に出会いたい」、「様々な文化に触れたいと」という思いが世界一周(27ヶ国)の旅に出ました。帰国後すぐに新規オープンの介護施設で働きたいと考え縁がありグループホームに就職しました。
 現在は埼玉県草加市にある施設の管理者兼、介護支援専門員として勤務しております。
施設は介護保険法の理念である自立支援と尊厳の保持を軸に“一人一人のご利用者様が自分らしく生きて活動する”を目標に運営を行っています。
 また、人材不足深刻となっている業界でもあるので職員が「ここで働いていたい」と思える施設運営を行うべく日々改善に取り組んでおります。
 ご利用者様が施設に入所したとしても自分らしい人生を送る為に 薬はとても重要な役割を果たしていると感じています。服用することにより穏かに過ごせるようになった方、生活リズムが整った方、逆に減薬する事により元気になっていった方、様々なケースをみてきました。
 私たち介護職はご利用者様の今の身体状況だけでなく、ご本人が今まで大切にされてきた考えやご家族様の要望など幅広い視野を持ち、可能な限りご本人やご家族様の意思を尊重する事が大切だと感じています。昨今、ポリファーマシー対策や服薬薬剤調整支援の取組みなど減薬を進める動きがあります。介護施設で働く者として減薬については様々なメリットがあり、ご本人の身体的負担はもちろんのことご家族様の経済的負担の改善、職員にとっては事故リスク低減や業務効率の改善に繋がることなどがあると考えております。
 このシンポジウムを通じて、介護施設側において薬をとりまく課題の中で、管理が難しい薬や服薬が困難なご利用者様の対応、未解決の課題、薬剤師との連携により解決出来た課題について紹介することで、皆様との多職種連携が「ご利用者様が自分らしく生きて活動できる」支援につながればと思っております。