[SY2-1] 地域医療連携を支える緩和医療薬学 ―日本緩和医療薬学会が目指す薬剤師育成―
シンポジウムのテーマは「住み慣れた地域での生活を最後のその時まで支えるために~在宅緩和ケアにおける多職種連携で薬剤師が果たすべき役割~」であり、国は第8次医療計画において、在宅医療に関わる薬剤師の資質向上を図り、麻薬や無菌調製の調剤、小児在宅、24時間対応が可能な薬局の整備を進めようとしている。それを推し進める上での課題は、地域の実情に応じた薬剤師確保対策、薬剤師の育成 と言われており、薬剤師の育成としては、服薬情報の一元的・継続的把握等により、患者の服薬管理を支援するかかりつけ薬剤師の育成、在宅療養支援や入退院支援のための知識や技能等を身に付け、地域の薬剤師間や多職種・医療機関と連携して患者を支えるかかりつけ薬剤師の育成 の取組が検討されている。
そのような背景の中、日本緩和医療薬学会では、2021年度から地域で活躍する薬剤師を育成するプログラムを開始した。地域緩和ケアネットワーク研修と在宅緩和ケア研修がそれに該当するが、特にネットワーク研修は薬局薬剤師が病院へ研修することにより、病院の役割、在宅の役割、そして在宅における薬剤師の役割を知ることができる研修となっている。また、学会が認証する在宅緩和ケア対応薬局制度を立ち上げたが現在は再構築中である。
さて、このように在宅で活躍する薬剤師を育成するために、2023年4月に「緩和医療薬学」第2版を発刊し教育ツールとした。特に2版では、1版にない、緩和医療に携わる薬剤師に必要な基本的姿勢、がん以外の特定集団への緩和ケアに関する基礎知識、緩和医療に必要な対人およびチーム医療への実践能力を加え、知識だけではなく薬剤師としての技能やコミュニケーション能力など幅の広い実践能力を提供している。
つまり、在宅緩和ケアにおいて薬剤師が果たすべき役割は、患者個々に応じた薬剤選択とそのモニタリングにより患者さんの辛い症状を和らげ支えることである。そこで薬剤師は、緩和医療に興味を持ち、緩和医療に必要な知識、技術を学び、薬剤師の役割を理解し、多職種と連携し、患者家族の意向を優先した医療を提供しなくてはならない。
そのためには、医療者間での連携、病院と薬局薬剤師の連携も必須となるが、まだまだ相互理解と連携が実際に進んでいない。連携を充実するためには人材育成と共に対価となる保険制度設定も視野に入れた仕組みつくりが必須であり学会が中心となり検討したい。
そのような背景の中、日本緩和医療薬学会では、2021年度から地域で活躍する薬剤師を育成するプログラムを開始した。地域緩和ケアネットワーク研修と在宅緩和ケア研修がそれに該当するが、特にネットワーク研修は薬局薬剤師が病院へ研修することにより、病院の役割、在宅の役割、そして在宅における薬剤師の役割を知ることができる研修となっている。また、学会が認証する在宅緩和ケア対応薬局制度を立ち上げたが現在は再構築中である。
さて、このように在宅で活躍する薬剤師を育成するために、2023年4月に「緩和医療薬学」第2版を発刊し教育ツールとした。特に2版では、1版にない、緩和医療に携わる薬剤師に必要な基本的姿勢、がん以外の特定集団への緩和ケアに関する基礎知識、緩和医療に必要な対人およびチーム医療への実践能力を加え、知識だけではなく薬剤師としての技能やコミュニケーション能力など幅の広い実践能力を提供している。
つまり、在宅緩和ケアにおいて薬剤師が果たすべき役割は、患者個々に応じた薬剤選択とそのモニタリングにより患者さんの辛い症状を和らげ支えることである。そこで薬剤師は、緩和医療に興味を持ち、緩和医療に必要な知識、技術を学び、薬剤師の役割を理解し、多職種と連携し、患者家族の意向を優先した医療を提供しなくてはならない。
そのためには、医療者間での連携、病院と薬局薬剤師の連携も必須となるが、まだまだ相互理解と連携が実際に進んでいない。連携を充実するためには人材育成と共に対価となる保険制度設定も視野に入れた仕組みつくりが必須であり学会が中心となり検討したい。