第18回日本薬局学会学術総会

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シンポジウム

シンポジウム5
「薬剤情報DXの導入による新しい薬局の形について考える」

Sat. Nov 2, 2024 1:50 PM - 3:20 PM 第5会場 (3階 313+314)

座長:中村 敏明(大阪医科薬科大学 薬学部 臨床薬学教育研究センター 教授) 西 陽一(ウエルシアパートナーズ株式会社 代表取締役社長)

[SY5-2] 保険薬局業界におけるIT企業の貢献と未来展望
~保険薬局のDXを支援する次世代コミュニケーションサービスの開発~

園田 康博 (三菱電機ITソリューションズ株式会社 流通・ヘルスケア事業部 ヘルスケア営業部 プロフェッショナル)

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 2022年9月に医療DX令和ビジョン2030が発表され、クラウド基盤を積極的に活用し、医療機関と国民が医療データを共有・活用し予防に役立てる方針が示されており、その実践例として2023年1月から電子処方箋の導入が推進されている。こうした薬剤情報共有による地域医療DX化が求められる背景として、医療の質向上や重複投与やポリファーマシーの防止等による社会保障費の適正化における薬局・薬剤師への期待があると考える。
 昨今、保険薬局においては対物業務を効率化し、患者さんとのコミュニケーション等の対人業務を充足させることが求められている。対人業務に必須の薬剤情報は日々更新され、患者向け説明資材も学術機関や製薬企業から多数発出されている。患者が理解できる情報の量や資材の選択、継続的な指導が課題となっている。
 そこで、弊社では様々な保険薬局向けシステムをクラウドサービスとして統合する次世代コミュニケーションサービス「AnyCOMPASS」の開発に着手し、第1弾として電子薬歴サービスの提供を2023年6月から開始した。
 弊社電子薬歴サービスでは、上記課題を解決するため『しっかり』、『スピーディ』、『繋がる』のコンセプトのもと、病態によって必要な指導をナビゲートする『服薬指導ガイド』、継続的な薬物療法の効果と安全性を高める『フォローアップ』、疑義照会の履歴や患者とのやり取りを時系列に表示する『患者タイムライン』、服薬期間に応じた副作用指導・処方カスケードやトリプルワミー等の不適正使用の検出・患者の主訴に基づく副作用確認を支援する『副作用管理』など搭載している。また、大阪医科薬科大学の中村敏明教授の監修指導のもと、新たに共感指導(特許取得済)機能を株式会社マディアと開発中で、患者との対話からプロブレム特定、適切な指導箋の提示など、知識、経験のばらつきによらず、薬剤師が患者の心情に共感し、プロブレムに基づく適切な指導箋を用いた指導が行えるように支援する。
 さらに、成長が著しい生成AIの薬局業務への活用に向けた取り組みも積極的に行っている。患者主訴や過去薬歴を基にした服薬指導プランニング、指導後の薬歴の自動生成や指導を要約する機能などの実現を進めており、本大会で参考出展する予定である。
 『必要な時に』、『必要な人に』、『必要な情報』をスピーディに提供できるサービスを目指し、薬局・薬剤師の皆さんの助けになれるよう、製品開発に取り組んでいきたい。