第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム7
「価値ある保険薬局を目指すために~薬剤師の専門性の今とこれから~」

2024年11月3日(日) 09:00 〜 10:30 第1会場 (1階 メインホール)

座長:恩田 光子(大阪医科薬科大学薬学部 社会薬学・薬局管理学研究室 教授) オーガナイザー:緒方 直美(さくら薬局グループ クラフト株式会社 教育研修部 課長)

[SY7-2] 専門薬剤師の立場から専門医療機関連携薬局(がん)の事例紹介

岡本 和加子 (クラフト株式会社 さくら薬局 横浜浦舟店 薬局長、外来がん治療専門薬剤師)

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 近年、新規抗がん薬の開発と支持薬療法の進展により、がん薬物療法は従来の入院治療から外来治療へとシフトしている。この動向は、薬局薬剤師が行う電話フォローを通じた日常生活での副作用管理の重要性を高めていると考えられる。
2021年に始まった薬局の認定制度により、がん患者を含む専門的な薬学管理が必要な患者に対して、他の医療提供施設との密な連携を行いつつ、より高度な薬学管理や、高い専門性が求められる特殊な調剤に対応できる「専門医療機関連携薬局」が明確化された。
 現代では2人に1人はがんに罹患すると言われている中、外来でのがん治療の需要は今後さらに拡大すると予測されるため、専門医療機関連携薬局に関わらず、がん治療を受ける患者との関わりが増えることが想定される。
外来がん治療専門薬剤師取得に至るまでの経緯と認定者としての日々の取り組みを踏まえて、がん治療を受けている患者のサポート症例を紹介する。
① 外来化学療法(mFOLFOXとパニツムマブ併用療法)中の患者への電話フォローによる介入症例。
② カボザンチニブ服用中の患者に対するかかりつけ機能を活かした一元的な管理下による低侵襲外科処置への介入症例
③ 他薬局で外来化学療法(レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法)を受けている患者の副作用(特に皮膚障害)に関する介入症例
 この発表を通じて、がん治療を受ける患者を包括的に支援するためにも、薬局薬剤師が専門性を持つことへの重要性を改めて認識して頂けると幸いである。