The 21st Annual Meeting of the Protein Science Society of Japan

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Young Poster Award Flash Talk

[1FT-1] Structural biology (1P-01~1P-25)

Wed. Jun 16, 2021 2:00 PM - 2:30 PM Channel 1

Chairs: Hiroshi Yamaguchi (Kwansei Gakuin Univ.), Terukazu Nogi (Yokohama City Univ.)

[1P-01*] The structural basis for two [2Fe-2S]-to-[4Fe-4S] cluster conversion on the iron-sulfur cluster biosynthetic scaffold IscU

Kouhei Kunichika, Ryosuke Nakamura, Takashi Fujishiro, Yasuhiro Takahashi (Dept. of Biochem. Mol. Biol., Grad. Sch. Sci. Eng., Saitama Univ.)

鉄硫黄(Fe-S)クラスターは、一般に[2Fe-2S]や[4Fe-4S]の形で、Fe-Sタンパク質の補因子として多彩な機能を発揮している。Fe-Sクラスター生合成系ISCマシナリーでは、足場タンパク質IscUでFe-Sクラスターが組み立てられている。過去の分光学的研究ではIscU二量体に結合した2つの[2Fe-2S]クラスターが還元的にカップリングすることで1つの[4Fe-4S]クラスターを生じることが示されている。しかしながら、[2Fe-2S]から[4Fe-4S]へのクラスター変換の詳細なメカニズムはこれまで全く未解明であった。
本研究では、X線結晶構造解析によって好熱性古細菌Methanothrix thermoacetophilaMt)由来IscUの[2Fe-2S]集積型二量体構造を世界で初めて決定した。これによって、Mt IscU二量体は、IscU1分子あたり1つの[2Fe-2S]クラスターを持ち、それら2つの[2Fe-2S]クラスターを非常に近い距離で二量体会合面に集積した、特殊な構造をとることが明らかになった。また、Mt IscU二量体のEPR測定を行ったところ、還元剤の添加によって[4Fe-4S]クラスターが形成されることが確かめられた。さらに、活性部位にH106A変異を加えた変異型Mt IscUでは、野生型と同様の[2Fe-2S]クラスター集積型二量体構造をとるものの[4Fe-4S]クラスター形成反応が進まないことが判明し、H106が[4Fe-4S]クラスター形成において重要な役割を持つことが示唆された。本研究では、IscUにおける[4Fe-4S]クラスターの生合成に関する構造基盤を、初めて明らかにすることができた。