第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ポスター賞フラッシュトーク

[1FT-1] 構造生物学 (1P-01~1P-25)

2021年6月16日(水) 14:00 〜 14:30 チャンネル1

座長:山口 宏(関西学院大学)、禾 晃和(横浜市立大学)

[1P-22*] Actinobacteriaがもつ新規ロドプシン群の発見

上野 真琴1, 林 史夫2, 菊川 峰志3,4, 園山 正史1,5,6 (1.群馬大・院理工, 2.群馬大・機器分析セ, 3.北大・院先端生命科学, 4.北大・Gl-CoRE, 5.群馬大・未来先端, 6.群馬大・食健康セ)

微生物ロドプシンは7回膜貫通タンパク質で、一般的に多量体を形成し、内部に発色団としてレチナールが結合している。また可視光の吸収により光機能中間体を経由した光サイクルが駆動し、アミノ酸モチーフに基づくイオン輸送を行う。近年、メタゲノム解析の進歩により微生物ロドプシンの多様性は急速に拡大している。しかし世界的に研究が進むものの殆どが水生生物由来であり、陸生生物における知見は少ない。本研究では、先ず水生細菌由来であるプロテオロドプシンのアミノ酸配列情報をクエリーとしてPSI-BLASTを行い、陸生細菌由来の新規ロドプシンを探索した。さらに構造予測からレチナール結合残基およびプロトン輸送モチーフをもつものを選別した。その結果Actinobacteriaに属する陸生細菌から、一般的な微生物ロドプシンに比べて膜外C末端配列が長い特徴をもつ類似配列を見つけた。これらを既存の微生物ロドプシンの系統樹に当てはめたところ、新たなロドプシン群が形成された。その中で中国の山岳氷河から採取されたCryobacterium属がもつ新規ロドプシンに着目したところ、一部の種はキサントロドプシン類縁のロドプシンも合わせてもつことが分った。したがってCryobacterium属にある2種類のロドプシンについて大腸菌発現系を用いたタンパク質の大量調製を行った。さらに各種分光測定を行った結果、既知のロドプシンとは異なる構造・機能をもつ可能性が強く示唆された。