The 21st Annual Meeting of the Protein Science Society of Japan

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Young Poster Award Flash Talk

[1FT-2] Computation/Information science (1P-28~1P-47)

Wed. Jun 16, 2021 2:00 PM - 2:30 PM Channel 2

Chairs: Kengo Kinoshita (Tohoku Univ.), Hisashi Okumura (ExCELLS)

[1P-40*] Molecular mechanism of functional regulation of TGIF-1 by phosphorylation on its intrinsically disordered region

Yuta Nakano1, Qilin Xie2, Yusuke Sakai2, Kota Kasahara2, Toru Sengoku4, Junichi Higo3, Kazuhiro Ogata4, Takuya Takahashi2 (1.Grad. Sch. Life Sci., Ritsumeikan Univ., 2.Coll. Life. Sci., Ritsumeikan Univ., 3.Grad. Sch. Simulation Studies, Univ. Hyogo, 4.Grad. Sch. Med., Yokohama City Univ)

TGIF1はTGF-βの活性化転写を抑制する多機能タンパク質である。TGIF1には天然変性領域(IDR)があり、そのリン酸化によってDNAとの結合が阻害されることが知られている。しかし、IDRの立体構造解析が困難であるため、その分子機構はわかっていない。本研究では、独自のシミュレーション手法であるVirtual system coupled canonical molecular dynamics (VcMD法) を用いてその分子機構を解明することを目的とした。構造既知のホメオドメイン(PBD ID:6FQP)近傍の3残基のリン酸化セリンを含む領域(残基番号280-300)はIDRであるが、この領域をペプチドとして配置した系について検討した。シミュレーション結果からIDRの安定構造を解析したところ、リン酸化セリンはDNA認識ヘリックス領域(219-221)のアルギニン残基に塩橋を形成した。そして、このリン酸化セリンの近くに3-10ヘリックス構造が形成されることがわかった。また、IDR上にリン酸化セリンと水素結合をする残基がいくつか存在した。これらの残基は、リン酸化セリンと相乗的に働き、DNA結合ドメインとの相互作用に寄与すると考えられる。また、DNA認識ヘリックス上のロイシンとペプチド上のロイシン2残基は疎水クラスターを形成していて、疎水性相互作用していると考えられる。これが、IDR相互作用の安定化にも関わっていると考えられる。研究では独自のシミュレーション手法を用いることにより、解析困難なIDRのメカニズムの解明に成功した。今後in vitro実験によって検証を行う予定である。