[1P-51*] Analysis of the molecular mechanisms involved in the regulation of receptor function by anti-OX40 antibodies
TNF受容体スーパーファミリー(TNFRSF)は治療標的として近年高い注目を集めており、たとえば抗TNFα抗体は自己免疫疾患に関連する炎症を抑制することができる重要な抗体医薬の一つである。TNFRSFに属するOX40(TNFRSF4)は、そのリガンドであるOX40Lとの結合に伴うシグナル伝達の増強が癌免疫療法に、一方でシグナル伝達の抑制は自己免疫疾患治療への応用が期待されている。しかしながら、このシグナル伝達機構は細胞を用いた生物学的機能評価に限られており、その制御機構は分子レベルで未だ明らかになっていない。そこで本研究では、OX40とOX40L間の結合に伴う三量体化、内在化、そしてシグナル伝達などを制御する抗OX40抗体の作用機序を明らかにし、分子レベルでの合理的な機能制御を可能にする抗OX40抗体の創薬指針の提案を目指している。臨床試験段階にある六種類の抗OX40抗体を組み換え体として調製し、OX40との相互作用を表面プラズモン共鳴(SPR)によって解析したところ、結合親和性や速度論パラメータが各抗体間で大きく異なっていた。またOX40部分欠損体を用いた解析より、抗体間でエピトープも異なることが明らかとなり、抗体のエピトープの違いや速度論的パラメータの違いが受容体制御機構の重要な因子であることが示唆された。本発表では、詳細なエピトープマッピングや結合量論比の違いについても報告するとともに、各種パラメータと抗体の受容体制御機構の関連を考察する予定である。