[1P-16*] Elucidation of host immune pathway inhibition mechanism by rabies virus P-protein
狂犬病は致死的な神経症状を特徴とする人獣共通感染症であり、狂犬病ウイルス (RABV) によって引き起こされる。発症後に有効な治療法はなく、致死率はほぼ100%である。毎年約6万人もの死者が出ており、治療薬を含めた新規治療法の開発が強く望まれている。宿主細胞がRABVの侵入を感知すると、免疫経路であるJAK-STATシグナル伝達経路の活性化により、ウイルスの排除システムを起動する。一方、RABVのP蛋白質のC末端ドメイン (RVP CTD) はSTAT1と相互作用することで宿主のJAK-STATシグナル伝達経路を阻害し、RABVの増殖に有利な環境を作り出す。RABVが属するリッサウイルス属のP蛋白質の構造比較により、RVP CTDの疎水性パッチの嵩高さはSTAT1との相互作用に重要であることが示唆されている[1]。しかし、RVP CTDによるSTAT1阻害機構の詳細は未だ不明のままである。
本研究ではまずRVP CTDによるSTAT1認識領域を絞り込むため、RVP CTDの疎水性パッチの嵩高さを担う残基の変異体 (W265G) を作製し、STAT1との相互作用解析を行った。その結果、W265がSTAT1との相互作用に重要であることを明らかにした。次に、W265が認識するSTAT1上の部位を特定するため、STAT1のΔN・C(core)、ΔN、ΔCとの相互作用解析を行った。
[1] Aoi Sugiyama et al, BBRC, 529, 507-512(2020)
本研究ではまずRVP CTDによるSTAT1認識領域を絞り込むため、RVP CTDの疎水性パッチの嵩高さを担う残基の変異体 (W265G) を作製し、STAT1との相互作用解析を行った。その結果、W265がSTAT1との相互作用に重要であることを明らかにした。次に、W265が認識するSTAT1上の部位を特定するため、STAT1のΔN・C(core)、ΔN、ΔCとの相互作用解析を行った。
[1] Aoi Sugiyama et al, BBRC, 529, 507-512(2020)