The 21st Annual Meeting of the Protein Science Society of Japan

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Poster Session

[1P-1] Poster 1 (1P-01ー1P-48)

Wed. Jun 16, 2021 2:45 PM - 4:45 PM Poster 1

[1P-30*] Prediction of the binding pose of the inhibitor JPH203 in the human L-type amino acid transporter 1

Natsumi Yoshida1, Toru Ekimoto1, Tsutomu Yamane2, Tokiko Suzuki3, Hitoshi Endou3, Mitsunori Ikeguchi1,2 (1.Dept. of Med. Life Sci., Yokohama City Univ., 2.RIKEN MIH, 3.J-Pharma Co., Ltd.)

L型アミノ酸トランスポーター1 (LAT1)は大型中性アミノ酸とそれら誘導体を交換輸送する。LAT1はCD98hcとヘテロダイマーを形成することで発現および輸送活性を有する。LAT1は腫瘍細胞型のアミノ酸トランスポーターとしてがん治療の創薬標的となっている。LAT1阻害剤JPH203がジェイファーマ(株)によって開発され臨床試験進行中であるが、LAT1との結合構造は解明されておらず、その作用発現の機序は不明である。そこで、計算科学の手法を用いてLAT1-CD98hc複合体と阻害剤JPH203の結合構造予測を行った。ドッキングシミュレーションによってLAT1-CD98hc複合体とJPH203の結合構造が得られた。この結合ポーズでは、JPH203は閉じた構造であり、これまでに推測されているファーマコフォアとも合致していた。膜水系を構築し、分子動力学シミュレーションを1 μs実施したところ、結合ポーズは500 nsほど安定であった。その後、JPH203は開いた構造へ変化し、基質結合サイトからずれていったが、結合ポケットには留まっており阻害能を期待させる結合ポーズとなった。JPH203自体のエネルギーは、MD中および量子計算のどちらにおいても、ファーマコフォアを満たす閉構造の方が安定であった。ポーズ変化時に水分子がJPH203近くに侵入してきており、相互作用の変化が生じていたため、水分子との相互作用がポーズ変化の原因ではないかと推測される。