[1P-79] Plum wine inhibits amyloid fibril formation of Aβ42 and leads to insoluble aggregation
現在までに植物等から天然由来のA β線維形成抑制物質が多く発見されている。本研究では酒類に注目した。少量ないし中程度の飲酒は認知症のリスクを低減させると報告されている。また、ワインに含まれるポリフェノール及びビール中のホップ苦味酸に認知症予防効果があることが報告されている。そこで他の酒類にも認知症予防効果があるのかを調べるため、酒類に含まれるA β線維形成抑制物質の探索を行った。A β42を使用し、日本酒及び梅酒を用いて線維形成実験を行った。結果、日本酒では抑制能がみられなかったが、梅酒を添加するとA β42が不溶化し、線維形成抑制がみられた。梅酒のどの成分が不溶化に関与しているか調べるため、逆相HPLCにて梅酒中の成分を分析した。結果、梅酒に含まれており、線維形成抑制が報告されているポリフェノールであるクロロゲン酸、フェルラ酸、trans-p-クマル酸以外の成分がA β42の凝集を引き起こしていた。この成分を同定するため、フラクション分割、分取し、線維形成抑制能をみたところ、初めのフラクションに含まれる成分がA β42の線維形成を抑制し、不溶化凝集へと導くことが明らかになった。しかし、この成分がどのようなものなのかが不明であるため、各ピークの分取を行い、どのような物質か明らかにすることが今後の課題である。