The 21st Annual Meeting of the Protein Science Society of Japan

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Poster Session

[1P-2] Poster 1 (1P-49ー1P-87)

Wed. Jun 16, 2021 2:45 PM - 4:45 PM Poster 2

[1P-85] A comprehensive analysis of novel disulfide bond introduction site into the constant region of human Fab

Hitomi Nakamura1, Moeka Yoshikawa1, Naoko Oda-Ueda1, Tadashi Ueda2, Takatoshi Ohkuri1 (1.Dept. of Pharm. Sci. Sojo Univ., 2.Grad. Sch. Pharm. Sci. Kyushu Univ.)

抗体フラグメントFabは酵母や大腸菌など微生物での生産が比較的容易である。IgGよりも生産性が高く、分子量が小さいため組織浸透性が高いという利点もあり、Fab製剤の開発が行われている。一方、タンパク質製剤は、精製過程や保存段階において不可逆的な化学修飾反応や凝集などが起こる可能性もあり、品質の不均一化、活性の低下も問題視されている。タンパク質は水溶液中で天然状態と変性状態の平衡関係にあり、不可逆的な劣化反応は、変性状態から引き起こされる。従って、タンパク質を安定化すれば劣化反応は抑えられることになる。タンパク質の安定化としてアミノ酸変異により新規のSS結合を導入する手法が知られているが、Fabについての研究報告はほとんどない。もし定常領域での安定化に成功すれば、他の抗体への応用も可能になる。そこで本研究では抗体医薬品アダリムマブFabを用いて、定常領域で新規の分子間SS結合導入が可能な部位を見出すことを目的とした。分子シミュレーションソフトMOEのジスルフィドスキャンにより9箇所の変異部位を推定した。そして全ての変異体を酵母より作製し解析した結果、6変異体において新規のSS結合が完全に形成されていることが分かった。またDSCによる熱安定性解析より、導入した分子間SS結合形成に伴って熱安定性が上昇することも示唆された。以上のように、推定した全ての変異体解析により、ヒト型Fabの定常領域へ分子間SS結合導入が可能な部位を明らかとした。