[2P-81*] Development of rapamycin-dependent multimerization system by FRB-FKBP fusion protein
タンパク質は複合体を形成することにより生体内で様々な生命現象と関わっている。そのため人工的なタンパク質複合体形成の制御は生体分子の機能活性の制御につながる。このタンパク質複合体形成を制御するシステムとして誘導型2量体形成システムが確立されており、2量体形成による細胞機能の調節に役立てられている。しかし生体内のタンパク質の平均会合数は4量体といわれ、様々な細胞が4量体形成により機能制御が行われているため、2量体以上の多量体形成システムの開発が必要である。それを踏まえ、ラパマイシン依存的に4量体を形成するFKBP-rapamycin binding domain in FRAP(FRB)とFK506 binding protein(FKBP)の融合タンパク質が構築された。これを4量体形成により機能が活性化するガン抑制タンパク質p53のN末端領域と融合させることで、ラパマイシンによりガン抑制活性の調節を可能にした。本研究では、さらに大きな制御型多量体形成システムの構築を目指して、自身で多量体を形成するタンパク質をFRB-FKBPと融合させ、そのラパマイシン依存的な多量体形成を評価した。自身で2量体を形成する人工タンパク質WA20をFRB-FKBPと融合させたところ、ゲルろ過クロマトグラフィーや化学架橋、粒子径の測定により4量体以上の多量体の形成が示唆された。さらに4量体を形成するAzamiGreenとFRB-FKBPの融合体の細胞内での多量体形成も報告する。