[2P-09] The circadian clock of cyanobacteria at various pH conditions
シアノバクテリアは概日リズムを示す最も単純な生物である。シアノバクテリアの生物時計は3種類のタンパク質KaiA、KaiB、KaiCおよびATPのみで構成され、KaiCのリン酸化・脱リン酸化が約24時間の概日リズムを示す。このリズムはin vitroで再構築できるため、生物時計研究のモデルとして扱われている。これまでに外的環境の観点では、概日リズムの周期長が温度変化の影響を受けにくいこと(温度補償性)、数百気圧の圧力で早くなることが報告されている(Kitahara et al. Sci. Rep. 2019)。しかし、溶液条件についてはpH、様々な添加物、その濃度など条件が多様であり未解明なことも多い。本研究では、シアノバクテリアのKaiC野生型と2種類の短周期変異体(F470Y、R393C)のpHによる周期長の変化およびATPase活性について調べた。いずれにおいてもpH上昇と周期長の間に正の相関が確認できたが、その変化量が異なっていた。