第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ポスターセッション

[2P-1] ポスター2(2P-01ー2P-37)

2021年6月17日(木) 14:45 〜 16:45 ポスター会場1

[2P-15] Traf5によるTNF受容体の認識に関する構造基盤研究

帯田 孝之, 飯田 日向子, 喜屋武 にこ, 宗 孝紀, 水口 峰之 (富山大・院・薬)

T細胞による免疫応答は、二次リンパ組織でT細胞が樹状細胞と抗原特異的に相互作用し、活性化されることにより開始される。T細胞に発現するTumor Necrosis Factor (TNF)受容体スーパーファミリー分子は、T細胞の活性化に必要な補助刺激シグナルの伝達を制御し、T細胞を介した免疫制御に重要な役割を果たしている。TNF receptor-associated factor (TRAF)は、TNF受容体とT細胞内で相互作用し、シグナル伝達を制御するアダプター分子群である。哺乳類では6種類 (TRAF1-TRAF6)のファミリー分子が存在し、それらのうち、TRAF2とTRAF5はTNFによって誘発されるNFκBの活性化において冗長的な機能を示すと報告されている。本研究では、TNF受容体とTRAF2/5の相互作用を解析し、T細胞の細胞質におけるシグナル伝達の制御機構を明らかにすることを目的とした。まず、TRAF2およびTRAF5とTNF受容体の相互作用について、表面プラズモン共鳴を用いて解離定数を算出した。次に、X線結晶構造解析により、TRAF5/HVEM複合体の結晶構造を決定した。さらに点変異を導入したHVEMを用いた相互作用解析により、TRAF5との結合に重要なアミノ酸残基を明らかにした。TRAF5とTNF受容体の複合体構造を初めて決定し、TNF受容体とTRAFの相互作用について新たな知見を得ることができた。