第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ポスターセッション

[2P-1] ポスター2(2P-01ー2P-37)

2021年6月17日(木) 14:45 〜 16:45 ポスター会場1

[2P-28] Protein Data Bankの構造情報に基づく蛋白質-ペプチド間相互作用の網羅的な解析

佐藤 圭一朗1, 笠原 浩太2, 高橋 卓也2 (1.立命館大・院・生命, 2.立命館大・生命)

近年、低分子ターゲットの枯渇からペプチドを薬剤候補とする研究が注目されている。しかしペプチドは低分子化合物と比べて、より複雑な相互作用を形成すると考えられ、その分子設計はさらに困難なものとなる。これに対して蛋白質ペプチド複合体の立体構造情報を収集し、相互作用の傾向を解析することでその特異的認識のメカニズムを理解する試みが多くなされている。しかし、水素結合のようなよく知られている相互作用に着目した解析が主であり、事前に種類を問わず、すべての相互作用を網羅する解析は行われていない。そこで、Protein Data Bank(PDB)に集められたペプチド複合体の相互作用を網羅的に解析し、相互作用の傾向を明らかにした。 本研究は三次元の混合ガウス分布に基づく教師なしパターン認識技術を用いて、相互作用するペプチド原子の空間配置について解析を行った。具体的にはPDBからペプチドを含む蛋白質複合体を集めた。それらから相互作用する蛋白質の主鎖/側鎖の情報とペプチドの1原子のペアを集め、主鎖/側鎖の代表3原子を重ね合わせた。そして、リガンド原子の相対的な位置を取得し、各相互作用の傾向を得た。 データセットから相互作用は約60万件検出され、それらを混合ガウス分布に適用した結果、2,771のガウス関数と外れ値で表現することが出来た。このパターンのうち933は必ず他のパターンと共起することが分かった。また、ロイシン側鎖とSP3炭素の相互作用パターンが最も多くの蛋白質ファミリーで確認された。