[2P-42] Control protein degradation by phosphorylation
タンパク質濃度調整の異常は、即、病気や死につながる。細胞内タンパク質濃度の調整はタンパク質の合成制御に加え、タンパク質の分解制御によっても行われている。細胞内の特定タンパク質の分解はユビキチン-プロテアソーム分解系(UPS)が担っている。UPSにより分解されるタンパク質はポリユビキチン化され、さらに基質タンパク質自身に構造をとらないフラフラとしたUnstructured領域をもっている。さらに近年このような分解シグナルに加え、リン酸化などの翻訳後修飾などが、分解の制御に関わっていることが分かってきた。これまでリン酸化によりポリユビキチン化が制御されることは報告されているが、プロテアソームによる分解に直接関わっているかどうかは不明のままである。そこで本研究では、リン酸化がプロテアソームによる分解反応にどのように寄与するか検証することを目的とした。本研究では、緑色蛍光タンパク質であるsfGFPをベースとしたモデルタンパク質に部分的にリン酸化サイトを導入した基質タンパク質を作製し、PKA触媒サブユニットでリン酸化し、それらがプロテアソームによる分解を抑制するか検証した。その結果、リン酸化タンパク質は非リン酸化タンパク質に比べ、分解が抑制されるという結果が得られた。電荷を帯びたタンパク質はプロテアソームによる分解を抑制することが明らかとなっていることから(Ohnuma et al., 投稿中)、リン酸化による負電荷の付加により分解が抑制されたと考えられる。