第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ポスターセッション

[2P-2] ポスター2(2P-38ー2P-88)

2021年6月17日(木) 14:45 〜 16:45 ポスター会場2

[2P-68*] タンパク質表面形状の噛み合わせを用いた多様な新規対称多量体の創製

海田 新悟1, 小林 直也2, 小杉 貴洋2,3,4,5, 古賀 信康2,3,4 (1.総研大・物・構造, 2.自然科学・生命創生, 3.分子研・協奏, 4.総研大, 5.JST・さきがけ)

タンパク質合理設計技術の発展により、単量体タンパク質を基にした対称多量体構造のデザインに関する研究が報告されている。しかしながら、これらの研究では多量体界面の相互作用として、βストランド間の水素結合や、αヘリックス間のバンドル様の相互作用を利用して多量体が設計されているため、構築する複合体構造に多様性を生み出すことが困難であった。そこで本研究では、タンパク質の表面が持つ様々な凹凸による表面間の噛み合わせを利用した相互作用面をデザインすることで、多様な形状の対称多量体の創製を目指した。二次構造が全てαヘリックスからなるデザインタンパク質をC6対称に配置し、それぞれを対称かつランダムに並進および回転させる事で複合体主鎖配置を多数生成した後に、界面の炭素-炭素接触数が多く、接触表面積が大きいものを選抜した。これらを構造の類似度で分類すると、いくつかのグループに大別されることが分かった。高い形状相補性を有する対称多量体構造について、表面残基を20残基程度改変し、6量体を形成するようなタンパク質を計算機で複数デザインした。これらのデザインについて大腸菌を用いて発現・精製を行い、実際に複合体が形成されているかどうかを検証した。その結果、デザインのうち1つが6量体に近い分子量であることがSEC-MALSにより明らかになった。詳細は当日報告する。