[3P-08] The X-ray structures of Methylomonas sp. L-ribulose 3-epimerase in complexes with substrates
希少糖D-alluloseは血糖値上昇の抑制や動脈硬化の予防効果などが見出され、近年D-alluloseの生産が注目されている。D-fructoseからD-alluloseの生産が可能で、X線結晶解析が報告されている酵素は、ホモ二量体のPseudomonas cichorii 由来D-tagatose 3-epimerase、ホモ四量体のAgrobacterium 属、Clostridium 属由来D-allulose 3-epimerase、Arthrobacter 属由来ketose 3-epimeraseである。これらの酵素と相同性を示す配列をデータベースから検索し、Methylomonas 属由来推定ketose 3-epimeraseを合成遺伝子を用いて発現させX線結晶解析を進めてきた。推定酵素はホモ二量体でD-alluloseに対する酵素活性が確認された。基質特異性を調べたところL-ribuloseに対して一番高い酵素活性を示し、続いて D-ribulose, D-allulose, D-fructoseにも活性を示すL-ribulose 3-epimerase (MetLRE)であることがわかった。本研究では、MetLREの基質複合体の構造解析を行ったので報告する。MetLREとD-allulose, D-fructose, L-tagatoseとの複合体構造をそれぞれ1.8, 1.8, 1.7 Å分解能で決定した。各複合体構造において、これまでの類似酵素と同様に基質の2位と3位の水酸基が金属イオンと配位結合し、MetLREの2つのGlu152とGlu246が基質を挟み込んで触媒残基として働いていると考えられた。MetLREでは、基質の5位と6位の近傍にHis12やSer69が存在し、これらのアミノ酸残基が基質と水素結合を形成することにより基質結合を安定にしていることが示された。