The 21st Annual Meeting of the Protein Science Society of Japan

Presentation information

Poster Session

[3P-2] Poster 3 (3P-48ー3P-87)

Fri. Jun 18, 2021 3:15 PM - 5:15 PM Poster 2

[3P-59] Preparation and purification of phosphorylated protein in E. coli recombinant protein expression system

Kei Hirabayashi, Chihiro Ando, Atsushi Shibata, Hidetaka Torigoe (Dept. of Appl. Chem., Fac. of Sci., Tokyo Univ. of Sci.)

翻訳後修飾は、真核生物の蛋白質機能を論じる上で重要である。最も広く利用されている大腸菌内組換え蛋白質発現系では、通常翻訳後修飾を受けた蛋白質を調製することはできない。本研究では、染色体末端のテロメア領域に結合する蛋白質Cdc13が、サイクリン依存性キナーゼCdk1によってリン酸化される系をモデルに、リン酸化修飾蛋白質を大腸菌内組換え蛋白質として発現する手法を開発した。
Cdk1遺伝子のみを挿入した発現プラスミドの他、Cdk1のリン酸化に関与するClb5やCak1遺伝子をCdk1と同一ベクターに挿入した発現プラスミドも構築した。これらのプラスミドと、出芽酵母由来Cdc13(211-335アミノ酸残基)の発現プラスミドを同時に大腸菌に導入し、大腸菌内での蛋白質発現を解析した。リン酸化蛋白質検出用Phos-tag SDS-PAGEを免疫染色した結果、Cdk1, Clb5, Cak1全てを共発現したときのみ、リン酸化Cdc13の大腸菌内での発現を検出できた。また、出芽酵母内でCdc13がリン酸化を受けるThr308に点変異を導入して同じく共発現を試みたところ、リン酸化Cdc13のバンドは消失した。これより、この大腸菌内共発現系では、出芽酵母内と同様なリン酸化修飾機構が働くことが考えられた。さらに、この系で発現したリン酸化Cdc13については単一精製にも成功しており、その他のテロメア関連蛋白質との相互作用解析など、翻訳後修飾が蛋白質機能にもたらす影響の解析に利用できる。