The 21st Annual Meeting of the Protein Science Society of Japan

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Poster Session

[3P-2] Poster 3 (3P-48ー3P-87)

Fri. Jun 18, 2021 3:15 PM - 5:15 PM Poster 2

[3P-84] Green fluorescent protein-derived red fluorescent proteins

Hiromi Imamura1, Shiho Otsubo2, Nobuhiro Takekawa2, Katsumi Imada2 (1.Grad. of Bio., Kyoto Univ., 2.Grad. of Sci., Osaka Univ.)

蛍光タンパク質(FP)は細胞・オルガネラ・タンパク質のラベルとして、またバイオセンサーなどの構成要素として、生物・医学研究において必要不可欠なツールとなっている。また、タンパク質の立体構造と機能の相関を研究するためのモデル系としても盛んに用いられている。これまでに報告された天然型FPの大部分は緑色蛍光タンパク質(GFP)であるが、一部の花虫綱動物からは赤色蛍光FP(RFP)が単離されている。これらのRFPは緑色蛍光を有する祖先型FPから進化したことが分子進化学的な解析から示唆されているが、どのような立体構造の変化が、蛍光団形成の自己触媒反応を緑色型から赤色型へと変化させたかについてはよくわかっていなかった。また、試験管内分子進化によってGFPをRFPへと変換することに成功したという報告もこれまでなかった。本研究ではサンゴ由来GFPであるAzamiGreenに約30個のアミノ酸置換を導入することで、明るい赤色蛍光を発する新規RFPであるAzamiRed1.0の開発に成功した。AzamiRed1.0は、AzamiGreenと比較し、励起のピークが約80 nm、発光のピークが約100 nm長波長側にシフトしていた。さらに、AzamiRed1.0の蛍光団がGFP型からRFP型に変化していることをX線結晶構造解析によって確認した。この結果は、人工的にGFPをRFPへ変換することで、これまで限定されていたRFPの系譜を大幅に拡張可能であることを示している。