The 21st Annual Meeting of the Protein Science Society of Japan

Presentation information

Technical Seminar

[TS5] 東ソー株式会社

Thu. Jun 17, 2021 5:15 PM - 5:30 PM Channel 1

Chairperson: Toru Tanaka (TOSOH Corp.)

5:15 PM - 5:30 PM

[TS5] Tosoh Technical Seminar

Introduction of FcR affinity chromatography for functional analysis of N-glycan of therapeutic antibodies

Toru Tanaka (TOSOH Corp.)

近年、ガンや自己免疫疾患の治療薬として抗体医薬品の市場規模が急拡大しているが、品質やコストの面で多くの課題が指摘されている。特に、抗体のFc領域に結合している糖鎖は薬効や安定性に関わる重要な部位であるが、その構造をコントロールする技術は限定的である。
抗体糖鎖の変化が活性に影響する機序は、免疫細胞表層に発現したFcレセプター(FcR)との親和性が変化するためと理解されており、特に、NK細胞表面に発現しているレセプターであるFcγRIIaへの相互作用が細胞障害活性(ADCC活性)に相関することが判明している。
この様な背景のもと、当社は物理化学的安定性を向上させた改変型FcγRIIaを創出し、本タンパク質を固定したアフィニティクロマト用カラム「TSKgel FcR-IIIA-NPR」および「TSKgel FcR-IIIA-5PW」を製品化した。本カラムを用いてモノクローナル抗体を分離すると、糖鎖組成に応じた特徴的なクロマトグラムが得られる。また、各ピークが異なる糖鎖組成を持ち、ADCC活性が弱い抗体成分は速く、強い抗体成分は遅くカラムから溶出することも確認した。
FcRアフィニティクロマト分析法は抗体医薬品のプロセス開発や品質管理に有用と考えられる。本セミナーでは本法の特長や実用例について概説する。