第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ワークショップ

[WS1] 分子夾雑の蛋白質科学における新展開

2021年6月16日(水) 18:00 〜 20:30 チャンネル1

オーガナイザー:浜地 格(京都大学)、王子田 彰夫(九州大学)

共催:新学術領域 分子夾雑の生命化学

19:41 〜 20:05

[WS1-05] 小胞体内酸化的フォールディングの触媒システムの理解

奥村 正樹1,2 (1.東北大・学際研, 2.JST創発)

オルガネラのひとつである小胞体にはインスリンや免疫グロブリンをはじめとした生体機能維持に重要なタンパク質が挿入され、天然構造を形成される。夾雑環境である小胞体内に挿入された新生ポリペプチド鎖は様々な因子すなわちシャペロンや酵素によって構造形成を補助される。これまでジスルフィド結合とフォールディング状態を関連付け、フォールディング補助因子として20種類以上ものProtein Disulfide Isomerase (PDI)ファミリー酵素の構造機能相関研究を進めてきた。近年ではこれら補助因子のうちPDIとP5が自身の会合状態を変えることでフォールディング触媒空間を創出し、基質のフォールディング状態を制御する反応場を提供することがわかってきた。本ワークショップでは新たな反応場を提供するP5の構造機能相関について発表し、分子夾雑下タンパク質フォールディングの最新の知見を提供する。