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[WS2-03] Molecular mechanism of metal center assembly in [NiFe]-hydrogenase from aerobic bacteria
鉄やニッケル、コバルトなどの遷移金属は金属タンパク質の活性部位に結合することによって、非金属タンパク質では達成困難な機能を与える。複雑な金属クラスターを必要とするタンパク質は、生体内で金属クラスターが生合成されてタンパク質に組み込まれることによって機能発現する。NiFe型ヒドロゲナーゼはニッケルと鉄を活性中心にもつ金属タンパク質で、水素をプロトンに酸化する反応とプロトンを分子状水素へ還元する反応を可逆的に触媒する。活性中心のニッケルイオンはタンパク質中のシステインを配位子としており、鉄イオンはシステインに加えて一酸化炭素とシアン化物イオンを配位子としている。一酸化炭素とシアン化物イオンは生体内で生成されて、Fe(CN)2CO錯体を経て、ヒドロゲナーゼ本体に組み込まれることがわかっている。一酸化炭素の生合成経路については未解明な問題となっていたが、2016年にNiFe型ヒドロゲナーゼの金属中心の一酸化炭素を生合成する酵素としてHypXが好気性細菌から同定された。最近、我々はHypXの結晶構造を決定して、新規な一酸化炭素生合成反応の分子機構を提唱した (Muraki et al., Commun. Biol., 2019) 。発表では、HypXを含むNiFe型ヒドロゲナーゼの金属中心形成に関わるタンパク質の構造情報を基に、高い酸素感受性を有するヒドロゲナーゼの金属中心の中間体が好気性細菌において構築される仕組みについても議論したい。