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[WS2-10] 疾患脳から迫る疾患特異的金属蛋白質の分子構造病態解析
神経疾患・精神疾患の早期発見と治療法開発は社会からの切実な要請となっている。これまで疾患の原因として、蛋白質分子の凝集・沈着・多量体化・修飾などの質的変化が疾患病態に含まれているという考えが有力となっているが、病態の核となる蛋白質の分子病態やその詳細な分子メカニズム、遺伝環境要因との関連については未解明の部分が多い。そこで治療に繋がる病態解析にブレークスルーを起こすため、蛋白質分子や金属原子の詳細な動態・機能の解析に着目した新しい学術融合が求められている。本発表では神経疾患として認知症脳を、精神疾患として統合失調症脳を例として、疾患脳内の蛋白質解析から生化学・質量分析、X線結晶解析・X線小角散乱解析・クライオ電顕など量子ビーム技術を統合的に活用し、疾患脳における蛋白質分子病態解析や金属原子とのクロストークに迫る試みを紹介したい。