The 21st Annual Meeting of the Protein Science Society of Japan

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Workshop

[WS5] Non-equilibrium state molecular movies: a new frontier in structural and functional studies on proteins

Thu. Jun 17, 2021 6:00 PM - 8:30 PM Channel 1

Organizers: Eriko Nango (Tohoku Univ.), Tetsunari Kimura (Kobe Univ.)

共催:新学術領域 高速分子動画

8:00 PM - 8:23 PM

[WS5-06] Functional Dynamics of Proteins Captured By High-Speed Atomic Force Microscopy

Takayuki Uchihashi1,2,3 (1.Grad. Sch. of Sci., Nagoya Univ., 2.iGCORE, Nagoya Univ., 3.ExCELLS, NINS)

1980年代半ばに発明された原子間力顕微鏡(AFM)は、真空環境から液中環境までの幅広い環境下で固体表面の構造をナノメータースケールの空間分解能でイメージングできる唯一の顕微鏡である。昨今ではナノサイエンスに欠かせない計測手法となっており、金属・半導体などの無機材料から、有機分子や高分子、さらにはタンパク質や生細胞にいたるまで、多彩な試料を対象として表面構造や物性解析に応用されている。AFMの大きな欠点は画像取得に分スケールの時間が必要なことであり、ダイナミックな現象はもちろん基板に強く吸着した試料しか観察できなかった。この欠点を克服するために様々な要素技術開発が行われ、2001年に80 ms/frameのイメージング速度でタンパク質の動態を撮影できる高速AFMが誕生した。高速AFMは今では、化学反応に共役した構造変化、分子間の結合・解離、拡散・集合過程、自己組織化など多岐にわたるタンパク質の動的現象の観察に利用されるようになっている。本講演では、最近のタンパク質ダイナミクスの観察例を紹介し、高速AFMでどのような生体分子のダイナミクス現象を可視化でき、そこから何が分かるのか、他手法との違いや秀でた点、どのような解析法が必要か、等について議論したい。