第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ワークショップ

[WS7] バイオ医薬品と遺伝子治療ウイルスベクターの分析・品質管理と規制科学

2021年6月17日(木) 18:00 〜 20:30 チャンネル3

オーガナイザー:内山 進(大阪大学)、石井 明子(国立医薬品食品衛生研究所)

18:25 〜 18:50

[WS7-02] Bispecific抗体の特性解析と蛋白質科学

齋藤 智 (中外薬・品質研)

医薬品の「品質」は、規制科学に関するガイドラインにおいて、「原薬あるいは製剤の意図した用途への適切さのこと。同一性、含量、物質の純度のような特性を指すこともある(ICH Q6A)」と定義される。Bispecific抗体に限らずタンパク質性医薬品の多くは、化学プロセスによる合成は難しく、生きた細胞の中で製造される。さらに、多くのタンパク質は、さまざまな種類の翻訳後修飾されるため、さまざまな特性に影響し得る。そのため、医薬品としての「品質」を管理するための基本情報として、
・意図した構造特性(一次配列,高次構造,糖鎖構造など)を有しているか?
・意図した物理学特性(サイズ,電荷など)を有しているか?
・意図した生物学的特性(活性など)を有しているか?
などの多方面からの蛋白質科学的な特性解析が必要になる。
本演題では、これらの特性解析手法について、Bispecific抗体に特有な事例も含めて紹介する。