第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ワークショップ

[WS8] 発動分子科学:生体分子モーターから、人工分子機械まで

2021年6月18日(金) 09:45 〜 12:15 チャンネル1

オーガナイザー:池口 満徳(横浜市立大学)、村田 武士(千葉大学)

共催:新学術領域 発動分子科学

11:46 〜 12:15

[WS8-05] 発動分子の分子動力学シミュレーション

池口 満徳1,2 (1.横浜市大・生命医, 2.理研・計算科学セ)

 「発動分子」とは、機械的運動によって、エネルギー変換を行う分子のことを意味する。生体内では、種々のタンパク質が「発動分子」として働いている。そのような「発動分子」の機能発現のメカニズムを理解するには、分子の原子レベルの動きを計算する分子動力学シミュレーションが効果を発揮する。コンピュータの能力の発展に伴い、分子動力学シミュレーションは適用範囲の拡大を続けており、種々の「生体発動分子」であるタンパク質の分子動力学シミュレーションが行われてきた。本講演では、我々が行ってきた生体発動分子の分子動力学シミュレーションを紹介したい。
 さらに、最近、このような生体発動分子の動作原理を学び、人工的に発動分子を創製しようという試みがなされるようになってきた。我々も、実験研究者と連携し、そのような人工発動分子の分子動力学シミュレーションにも取り組んでいる。分子動力学シミュレーションにおける、人工分子と生体分子の取り扱いの相違点についても、議論したいと考えている。