第75回済生会学会 令和4年度済生会総会

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シンポジウム

シンポジウム Design Our Next Road~わたしたち済生会の変革~

Sun. Feb 12, 2023 10:00 AM - 11:30 AM 第1会場 (1F G5+G6)

座長:中尾 浩一(社会福祉法人恩賜財団済生会熊本病院 院長)

(座長の言葉)
 私たち「済生会」の将来像を描いてゆく。そのキャンバスには、二つの大きなモチーフが既にデッサンされているようです。その第一のモチーフは、「医療デジタルトランスフォーメーション(DX)」。今、コロナ禍の中で急速に拡充される社会のデジタル基盤は、医療のかたちをどのように変えるのでしょうか。伝統的な医療の価値観は、連続・接触・対面というプロセスを経て、直感的で情緒的な要素を内包しています。一方、デジタル技術の進歩は、不連続・非接触・リモートといった環境での医療を追求する中で、私たちにより実証的で論理的な態度を求めています。さらに人工知能(AI)診断やロボット支援手術が普及していく中、医療の在り方は大きな転換点を迎えています。デジタル社会への加速は、私たちの価値観を大きく揺るがすに違いありませんが、急速な科学技術の進歩に対して、それを制御すべき組織や社会の制度が追いつかない例は枚挙に暇がありません。パンデミックがより成熟した社会への奇貨となりうるとすれば、私たちはどのようにトランスフォームすべきなのか、考えてみたいと思います。
 もう一つのモチーフは、「働き方改革」。私たちが足下の感染症に翻弄され続ける中にあっても、確実な未来として対策が求められているのは、日本の人口減少、特に働き手の減少です。超高齢社会にあっては、医療・介護・福祉において、この問題はさらに深刻です。もちろん、直近の課題は2024年に施行が迫る、医師の働き方改革ですが、そのためにはタスクシフティングを含めた病院全体での取り組み、他職種の理解と協業が必要です。労働対余暇の文脈で、時間管理のみが取り沙汰される「働き方改革」ですが、「生活困窮者(無告の窮民)への施薬救療」を創立の精神とする済生会にとっての働き方、さらには「働きがい」についても、対話をしてみたいと思います。
 二つのモチーフが共通して私たちに求めるのは、「意識の変革」。今、課題はどこにあり、解決の糸口は見いだせるのか。私たちは何を手に入れなければならないのか。そして何より、私たちはこれまで慣れ親しんできた医療・介護・福祉のかたちを自ら終わらせることができるのか?本シンポジウムではDXと働き方改革に様々に取り組んでいる4名の演者の皆さんとともに、私たちのNext Roadに思いを巡らせてみたいと思います。

<座長略歴>
1985年 熊本大学医学部専門課程 卒業
1992年 国立循環器病センター心臓血管内科 厚生技官 (医療職)
1995年 米国コロラド大学ボルダー校 分子細胞発生生物学部門 フェロー
1997年 社会福祉法人恩賜財団済生会熊本病院 循環器内科医員
2007年 同 循環器内科部長
2017年 同 院長
学会役職等:日本循環器学会(代議員)、日本心臓病学会(代議員)、日本冠疾患学会(理事)、日本心血管インターベンション治療学会(名誉専門医)、日本クリニカルパス学会(評議員)、熊本大学医学部医学科臨床教授(循環器内科学)、臨床研究適正評価教育機構(評議員)、全国済生会循環器懇話会(代表世話人)

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