サイエンスキャッスル2016

講演情報

関東大会~未来の実になる研究開発~

[4-8] ポスター発表(午後の部)

2016年12月24日(土) 15:00 〜 15:40 エキシビションホール (3階エキシビションホール)

[P-54] 動かない生物の環境適応能力

加賀 三鈴 (東京大学教育学部附属中等教育学校 生物部)

気孔の開閉運動は植物の重要な生理機構である。本研究ではナツミカンを中心に、陽葉と陰葉の気孔における光・ホルモンが気孔開閉運動に与える影響を観察した結果、陽葉では光・サイトカイニンに対して、陰葉ではアブシシン酸に対して鋭敏に気孔開閉運動する様子が確認され、さらに、陽葉は植物ホルモン、陰葉は光環境によって気孔開度が左右される様子が確認された。気孔が開口する頻度が高いと開きやすく、閉口する頻度が高いと閉じやすくなっているという現象や、外界の影響を受けやすいと植物ホルモンが効きやすいという現象は、動物に比べ運動能に乏しい植物における重要な環境適応機能だと推測される。